赤色巨星期を生き抜いた系外惑星を確認 知的文明も存続か? 米宇宙望遠鏡科学研究所
財経新聞 / 2024年3月11日 9時14分
太陽の存在は永遠ではなく、約50億年後には寿命を終える運命にある。その具体的プロセスは、太陽内部の核融合反応で水素が使い果たされ、ヘリウム核融合に遷移し、太陽は赤色巨星となる。ヘリウムが使い果たされると太陽程度の質量では、炭素の核融合反応を起こせないため、ガス成分を放出して惑星状星雲となり、燃え尽きた太陽はその中心で白色矮星となる。
この段階で地球は巨大化した太陽に飲み込まれるのか、太陽引力が低下し、地球の公転軌道が拡大して、太陽に飲み込まれずに済むのか、運命はその時までわからない。この白色矮星を周回する系外惑星の撮影に、ジェームスウェッブ望遠鏡が成功した。
今回撮影されたのは、白色矮星を周回する2つの木星型惑星(WD1202-232とWD2105-82)で、これらは太陽系の木星に年齢と構成との距離関係が類似し、このタイプの系外惑星の撮像に成功したのは世界で初めてとのことだ。
銀河系に存在する恒星の97%以上は太陽と同様にやがて寿命を迎え、白色矮星となるが、白色矮星は非常に暗く、探し出すのは至難の業で、それを周回する惑星を捉えるのはさらに難しい。
今回の撮影以前に、白色矮星を周回する系外惑星は2例しか確認されていない。だがこれら2例とも主星のすぐ近くを周回するため、白色矮星からの弱い熱放射であっても生命が存続できる可能性があり、知的文明存続の可能性について言及している科学者もいる。
地球の50億年後がどうなっているのかは誰にもわからない。地球が生命維持に適さない環境に変化し、人類が滅びるのか、はたまた地球環境は維持できたとしても、核戦争勃発で自滅してしまうのか、いずれのシナリオも想像したくはない。
だが太陽のなれのはての姿である白色矮星にも、惑星が周回している事例が複数見つかっている事実は、地球が太陽が赤色巨星化した後も、生き残れる可能性を示唆するもので、我々にも希望が持てるのではなかろうか。
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