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ノエビアHDの強さは「微細な市場洞察力」 株価も反映している

財経新聞 / 2024年5月2日 16時51分

 ノエビアホールディングス(東証プライム市場。以下、ノエビアHD)。小売り向け化粧品と、対面による高級基礎化粧品を展開。

 興味を抱いたキッカケは、前2023年9月期の決算時に今24年9月期を「0.7%増収(630億円)、1.6%営業増益(112億円)、1.6%最終増益(78億1200万円)」と計画した理由だった。「諸般の物価上昇は個人消費の下押し要因と認識しなくてはならない」と言い及んだ。

 2020年9月期の「32.8%大幅営業減益」はともかく、翌期から前期までの平均営業増益率は11.13%。が今期予想は1.6%。連日の如く物価上昇⇒個人消費落ち込み懸念が伝えられているが、化粧品という、とりわけ女性にとって生活に不可欠な製品メーカーにダメ押しされると説得力を伴う。

 ノエビアHDはとにかく、市場環境を適切に見定めている。前期は「化粧品事業:2.4%増収、9.7%営業増益」「医薬・食品部門:5.1%増収、2.4%営業増益」といった具合だ。

 しかも好財務下(無借金)もあり、21年9月期から前期まで「5円増配」を続けるなど株主還元策もしっかり執っている企業。四季報は「増配継続か」としている。

 ノエビアHDの市場動向に対する慎重さは、矢野経済研究所のデータに通じてもいる。

 国内の化粧品市場は2020年度(2021年3月期)、前年度に比べ3分の2以下に落ち込んでいる(2兆2350億円)。そして着目したいのは翌年度以降回復基調に転じたが、今年度予想も未だコロナ禍前の水準に至っていない点だ。矢野経済では今年度も前年度比3.4%弱増にとどまるとしている。19年度に比べ7.5%方低い。

 巷間、諸々の読み方が飛び交っている。「コロナ禍/在宅勤務を契機に女性の化粧に関する認識に微妙な変化が・・・」などは、説得力を持つ。「花王が(競争の激しい)中流品ブランドからの撤退」といった動きにも、方向感が感じられる。

 が化粧品メーカーにあっては、大事であろう。どう生き残っていくのか。ひとつのヒントはノエビアHDに求められよう。

 「いかに市場動向を微細に読み切れるか」だ。それに応じた製販体制を執れるかだ。一歩誤れば「負け組、市場転落の坂を転げ落ちること」になりかねない。

 本稿作成中の時価は5200円台。予想税引き後配当利回り3.35%余。配当取りは株式投資の一法の妙味。だが同社株の過去9年4カ月間の調整済み株価パフォーマンス2.5倍を知ってしまうと、押し目買いで両面待ちもと思ったりもするが・・・

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