特集「こち亀」40年、連載終了
長寿マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、「こち亀」)が、2016年9月17日(土)発売の『週刊少年ジャンプ』(42号)で、いよいよ最終回。連載終了の真相から各方面の反応、さらに知られざる「こち亀」の魅力に迫ります。(2016年9月17日更新)
こち亀40年の歴史に幕
9月17日発売の「週刊少年ジャンプ」42号で完結
17日発売の「週刊少年ジャンプ」(集英社)42号で、1976年(昭和51年)から40年続いた連載を完結した。最終話を掲載した最後の単行本200巻も同日発売された。
連載終了発表「びっくりさせ申し訳ない」
9月17日発売の「週刊少年ジャンプ」42号が最終回
9月3日に東京・神田明神で行われた連載40周年記念完全描きおろし巨大絵巻物奉納式にて作者の秋本治氏から発表された。最終回が掲載される週刊少年ジャンプ42号と同日発売の単行本の200巻が最終巻となる。
「寂しいかもしれないけど、本当はすごくおめでたいこと」
秋元氏は「びっくりさせて申し訳ないです」「寂しいかもしれないけど、本当はすごくおめでたいこと」「40周年でみんなで祝ってもらったときにスッと消える感じがやっぱり両さんらしい」と、特設サイトにメッセージを寄せている。
作者が語る連載終了への思い
4年後の東京五輪開催に向けた構想なども語ったあとに発表
「300巻への意欲は?」「最終回の構想は?」といった質疑応答にひと区切りがついた頃合いで終了を発表。秋元氏は「心苦しい」と時折声を上ずらせた。
会見の最後に発表した理由は「2つの強い思いがあった」からと記者
1つめは「読者に対して自身の口から連載終了を語りたかった」から、もう1つは「絵巻の奉納が連載終了以上に大切だった」からと分析。秋本氏は絵巻の奉納を「こち亀の連載終了より、奉納の方が大事なんです」と語っている。
「終了」は奉納式の関係者にも秘密にしていた模様
記者会見冒頭で神田明神宮司は「これからも本作品が末永く続かれまして…」と述べており、奉納式の関係者にも秘密にされていたと思われるという。
ネットの反応
突然の連載終了報告に、インターネットでは悲しみの声があがっている。
著名人の反応
ラサール石井「両さんは分身のような存在。両さんを演じることで自分も元気になれた」。
松本人志は最終回のアイデアを出しつつ「見たいけど見たくない」。
こち亀が終了…30年近くかかさず毎週会ってた友達がどこか遠いところへ転校していく気持ち…。いるのが当たり前だったからちゃんとしゃべる時も最近じゃなくなっていた。ありがとうこち亀。
— 村本大輔(ウーマンラッシュアワー) (@WRHMURAMOTO) 2016年9月3日
伊集院光 公式ブログ : こちら https://t.co/Mn7K0PhcFG
— 伊集院光 (@HikaruIjuin) 2016年9月3日
ワイドナショーの秋本先生出演。『こち亀』終了は感慨深い。https://t.co/KBKiA5oxv5 …←こち亀データベースを見てもらえればわかるが58巻の「両さん月へ行くの巻」、ボクは登場人物であり、75巻の巻末コメントにも出ている。返送免許証事件も同じような話があるのだ。
— 水道橋博士 (@s_hakase) 2016年9月4日
こち亀の連載終了が発表されましたね。。そんな中、ワイドナショーに秋本治先生と出演です。初めて読んだ漫画がこち亀だったので、とてもさみしいです。貴重なお話がたくさん聞けました。ぜひみてね。明日です。
— 指原 莉乃 (@345__chan) 2016年9月3日
こち亀が、、、、こち亀が
— 中川翔子@パクチー (@shoko55mmts) 2016年9月3日
😹
こち亀でイルクジのベイビーGを知って、おばあちゃんにブルーのベイビーGを買ってもらったっけ
それが中1かな?
舞台も観に行ったの思い出
ずっと続いてくれると思ってた
なんでも 永遠なんてないんだ
でも 200巻は永遠に残る
お疲れ様でした
両津勘吉は、不死身だと、なんとなく信じていた。。きっと、大変なご苦労が。。。長い間、おつかれさまでした!! RT「こちら葛飾区亀有公園前派出所」9月17日発売のジャンプで完結 https://t.co/duYig6lEP4 pic.twitter.com/bllnPZSAM2
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2016年9月3日
漫画業界からの反応
「よく決断できたなあ。寂しいのと、うらやましいのと、不思議な気持ちです」
「毎週連載で200巻までとはよく根気が続いた。わしのような飽きっぽい者からすれば、人間技ではない。 」
「こち亀」の連載が終わると聞いた。こち亀を読むたびに、山田洋二郎監督の「男はつらいよ」シリーズを思う。作者本人はとても理知的で賢い人でいらっしゃるのに、ダメ男キャラクターに思いの丈を無理なく語らせる。40年間、秋本 治さン、ご苦労様でした。(小池一夫)
— 小池一夫 (@koikekazuo) 2016年9月4日
「こち亀」ってどんな漫画?
「両さん」たちが巻き起こす騒動を描くギャグ漫画
亀有公園前派出所に勤務する両さんこと両津勘吉を中心に、個性豊かなキャラクターが巻き起こす騒動を描くギャグ漫画。
アニメ化、実写ドラマ化・映画化もされた国民的コミック
1976年の連載開始から一度の休載もなく掲載され、アニメ化、実写ドラマ化・映画化もされる国民的コミックとして多くの人に愛されてきた。
累計発行部数は1億5000万部
現在まで単行本が199巻まで発売されており、累計発行部数は約1億5000万部。
単行本の累計発行部数は約1億5000万部。テレビでアニメシリーズが放送されたほか、アイドルグループ「SMAP」の香取慎吾さんの主演でドラマ化、映画化もされた。
TVアニメも約10年放送
1996年6月~2005年1月まで全344話を放送。
「こち亀」豆知識」
「早く最終回が読みたいと思う作品」の2位だった
4月に発表されたアンケート「早く最終回が読みたい長編漫画TOP10」で、「ONE PIECE」に続く2位にラインクインしていた。
単行本第6巻までは「山止たつひこ」名義だった
連載当初のペンネームは「山止たつひこ」。ヒットギャグ漫画「がきデカ」の作者・山上たつひこ氏のペンネームをもじったとされる。「こち亀」が100本を超えた3年目からは本名・秋本治を名乗った。
4年に1回しか登場しない名物キャラも
モスクワ五輪があった1980年の初登場以来“4年に1回しか登場しない”キャラ、日暮熟睡男。リオ五輪が開催された今年は「ジャンプ」本誌には登場せず、特別増刊の「こち亀ジャンプ」に登場。眠りキャラを捨て宇宙飛行士になった。
破天荒キャラの両さん 負債は「1兆を超える」
国会議事堂や飛行船などを破壊しては負債を背負い、その額は「1兆を超える」なんて話も。公務員である警察官にも関わらず様々なビジネスに手を出して成功と失敗を繰り返してきた。
常識人・中川も連載初期は問題児だった
常識人という立ち位置のイケメン巡査・中川圭一。そもそも「銃が撃てるから」という理由で警官になっており、登場当初はたびたび銃を乱射するなど問題児扱いされていた。
27年前には伝説の“ニセ最終回”も
第69巻の「両さんメモリアル」の最終ページで、「長い間ご愛読ありがとうございました…」と両さんが読者に別れを告げた・・・が、次のページで「新こち亀」が始まるという“ニセ最終回”が。当時は読者からのクレームが殺到したという。
こち亀が終わると知り頭が真っ白になった。
— 川島明 (@akira5423) 2016年9月3日
でもその白はどこか懐かしい色で、思い出せば20数年前もこの見開きを見て中学生の僕は同じ真っ白になったのだった。
あの時は次のページで両さんが元気に帰ってきたもんだからまだ実感がわかない。 pic.twitter.com/twhGkeO0Xy
「こち亀」モデルの葛飾区亀有はどんな街?
舞台となる東京都葛飾区亀有には、主人公の両津勘吉が勤務する派出所のモデルとなった交番をはじめ、原作に登場するスポットが数多く存在する。
「ゴルゴ13」との関係
単行本巻数の2位は「ゴルゴ13」(連載中)の181巻回。「ゴルゴ13」は1968年10月に「ビッグコミック」にて連載継続。
「星逃田」「後流悟十三」「ボルボ西郷」など、「ゴルゴ13」の主人公、通称「デューク・東郷」を彷彿とさせるキャラがいくつか登場している。
連載30周年を記念して発売された本「超こち亀」では、両さんとゴルゴが同じ漫画内に登場するという夢のコラボを果たしている。また、「ゴルゴ13」生誕45周年では秋本氏がゴルゴを描いている。