米株はダウ・Ｓ＆Ｐ最高値、好調な指標や米債利回り低下で

ロイター / 2021年4月6日 7時6分

４月５日、米国株式市場は上昇し、ダウ工業株３０種とＳ＆Ｐ総合５００種が終値で最高値を更新した。好調な経済指標が投資家心理を押し上げたほか、最近の国債売りが一服し、米１０年債利回りが低下したことでインフレ懸念が和らいだ。写真は２月２８日、ニューヨーク証券取引所前で（２０２１年　ロイター／Mike Segar）

［ニューヨーク　５日　ロイター］ - 米国株式市場は上昇し、ダウ工業株３０種とＳ＆Ｐ総合５００種が終値で最高値を更新した。好調な経済指標が投資家心理を押し上げたほか、最近の国債売りが一服し、米１０年債利回りが低下したことでインフレ懸念が和らいだ。

米供給管理協会（ＩＳＭ）が発表した３月の非製造業総合指数（ＮＭＩ）は統計開始以来の高水準を記録した。２日に発表された３月の雇用統計でも、非農業部門雇用者数が前月比９１万６０００人増と、市場予想を上回っていた。

この日の上昇は通信サービスや一般消費財、情報技術など、このところアンダーパフォームしていた業種がけん引した。米１０年債利回りが先週付けた１年２カ月ぶり高水準を下回って推移したことが寄与した。

インバーネス・カウンセルの最高投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「きょうは利回りがほぼ動いておらず、それがハイテク株の支援材料になっている面がある」と指摘した。

最近の米国債利回り上昇を受けたインフレ懸念でグロース（成長）株の投資妙味が低下したことから、ナスダック総合は２月の高値を依然として約３％下回っている。ただ、フランスなどでの新型コロナウイルス感染再拡大やロックダウン（都市封鎖）再導入を受け、足元ではハイテク株を買う動きが出ている。

エネルギー株は原油価格の急落が響いて２．４％下落。Ｓ＆Ｐ５００の主要業種別指数で唯一マイナス圏で引けた。

一方、経済活動再開の恩恵を受ける銘柄は好調で、Ｓ＆Ｐ１５００航空指数は２．５４％高。米疾病対策センター（ＣＤＣ）は２日、コロナワクチンの接種が完了した人に対する指針を改定し、「低リスク」で旅行できるとした。

イエレン米財務長官は５日、過去３０年にわたる法人税率引き下げ競争に終止符を打つために、２０カ国・地域（Ｇ２０）に対し法人税に世界的な「最低税率」を設定することで合意するよう働きかけていると述べた。

個別銘柄ではテスラが４．４３％上昇。第１・四半期の納車台数が過去最高を記録した。

米取引所の合算出来高は１００億５０００万株。直近２０営業日の平均は１２６億２０００万株。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を１．７９対１の比率で上回った。ナスダックでは１．５０対１で値上がり銘柄数が多かった。

＊個別銘柄や出来高などを追加しました