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FRB当局者ら、米経済のV字回復見込まず

ロイター / 2020年5月11日 7時59分

米国の多くの地域で新型コロナウイルス感染拡大を抑制するための封鎖措置が緩和されつつある中、連邦準備理事会(FRB)の当局者らは8日、早期のプラス成長への回帰は期待すべきではないとの認識を示した。写真はワシントンのFRB本部。2019年3月撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

[サンフランシスコ 8日 ロイター] - 米国の多くの地域で新型コロナウイルス感染拡大を抑制するための封鎖措置が緩和されつつある中、連邦準備理事会(FRB)の当局者らは8日、早期のプラス成長への回帰は期待すべきではないとの認識を示した。

ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は報道番組PBSニュースアワーでのインタビューで「私は数カ月前、封鎖を実施し、新型コロナを封じ込めた上で、早期に回復を果たすV字型回復が可能だと楽観視し、期待していた」と説明。

ただ、ワクチンと有効な治療薬が開発されるのに1─2年は要する見込みであることから、封鎖措置による「壊滅的な」雇用喪失からの回復は「残念ながらゆっくりで長い時間がかかる」と予想した。

米労働省が8日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から2050万人減となり、1930年代の大恐慌(グレート・ディプレッション)以降で最大の落ち込みとなった。[nL4N2CQ3CZ]

トランプ大統領は8日のFOXニュースのインタビューで、「雇用は非常に早期に回復する。来年は驚異的な一年になるだろう」と述べて、強気を崩さなかった。

ただ、FRB当局者の間でそのような強気な見方は大勢ではない。

サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、トランプ氏の発言の1時間後にCNNの番組に出演し、FRBの前例のない緊急措置と米議会でこれまで成立した3兆ドル近い景気対策が経済を下支えするはずだと説明。

「私は基本的に、安全に経済を再開し、保健当局の助言に耳を傾け、ゆっくりと段階的に再開できるよう望んでいる。そのように安全に経済を再開できれば、2021年はプラス成長になると見込む」と述べた。

2007─09年の金融危機による労働市場の悪化を修復するのに10─12年の期間を要したのと同様、今回もそれだけの期間が必要になるかとの質問に対しては、「そうならないよう昼夜を問わず取り組んでいる」と応じた。

また、新型ウイルスの封じ込めに成功しない限り、経済成長が早期に加速することは期待できないとした。

「新型コロナウイルスが過去のものになれば、全面的に活動を再開できる」と指摘した上で、景気回復は「急速なものとはならず、私の見方では、V字型ではなく、緩やかなものになる」と語った。

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