FRB、インフレの進展停滞と金利据え置き長期化を懸念=議事要旨
ロイター / 2024年4月11日 6時19分
3月19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、当局者がインフレ面での進展が停滞し、金利をより長期間現行水準で据え置く必要がある可能性を懸念していたことが分かった。2013年、ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Jonathan Ernst/File Photo)
[ワシントン 10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が10日に公表した3月19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、当局者がインフレ面での進展が停滞し、金利をより長期間現行水準で据え置く必要がある可能性を懸念していたことが分かった。
要旨は「FOMC参加者は総じて、根強い高インフレを巡る不確実性を指摘し、最近のデータはインフレが持続的に2%に低下するという確信を強めるものではないという見解を示した」とした。
「一部の」当局者は、FRBの金融政策が「望ましい水準ほど制約的でなく、そのため総需要に勢いが増し、インフレに上昇圧力がかかる」リスクがあると指摘。こうした論理は利上げを擁護する際に利用される可能性がある。
FRB当局者は、高金利を過度に長期間維持し過ぎるリスクと、尚早な利下げ開始によりインフレ率の2%目標への回帰が失敗するリスクのどちらがより大きいかを議論してきた。
一部の当局者は、住宅インフレのような重要な項目が鈍化し始めると引き続き主張。「数人」は生産性の向上によってインフレが鈍化を続けつつ、力強い経済成長を維持できるとの見方を示した。
ただ全般的には、年初には手応えが見られていたインフレとの戦いに関し懸念が示された。
議事要旨では「ここ数カ月の経済の力強い勢いを示す指標と期待外れのインフレ率を参加者は指摘した」と言及。利下げ開始前にインフレ鈍化が続くとの確信を強める必要があると改めて強調した。
また、「多く」の参加者がFRBが今年の経済成長見通しを強化した際に考慮した要素である移民について「このところの移民動向が経済にどのような影響を及ぼすかを評価するのに困難を極めている」と指摘した。
FRBはインフレ高騰に対処するため、2022年3月から政策金利を引き上げた。昨年7月以降は5.25―5.50%ポイントに据え置いている。
次回のFOMCは4月30日─5月1日に開かれる。
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