欧州市場サマリー（14日）

ロイター / 2021年6月15日 2時30分

［１４日　ロイター］ - ＜ロンドン株式市場＞　続伸して取引を終えた。比重の大きいエネルギー株が買われ、全体を押し上げた。投資家は、新型コロナウイルス流行によるロックダウン（都市封鎖）の完全解除が延期されるかどうかの英政府の判断を注視している。

原油価格上昇に伴い、石油大手のＢＰとロイヤル・ダッチ・シェルは１．９％、２．７％それぞれ上がった。

外注専門会社のセルコは４．６％上昇。２０２１年の利益見通しを引き上げたことが好感された。

新型コロナ変異株「デルタ」の感染者数増加への不安を受け、ジョンソン英首相はロックダウン解除を延期することを発表する見込みだ。ＦＴＳＥ３５０種旅行・娯楽関連株指数は１．４４％下落した。

英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ（ＢＡ）などを傘下に置くインターナショナル・コンソリデーテッド・エアラインズ・グループやケータリングサービス大手コンパス、外食デリバリーサービスのジャスト・イート・テイクアウェー・ドットコム、ホテル経営大手のインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ（ＩＨＧ）の値下がりが目立った。

＜欧州株式市場＞　続伸し、過去最高値で取引を終えた。原油の値上がりに伴ってエネルギー株が買われた。

ＳＴＯＸＸ欧州６００種は、取引時間中の過去最高値も付けた。

ＳＴＯＸＸ欧州６００種石油・ガス株指数は２．００％上昇し、部門別で最も好調だった。原油需要が今年世界的に好調となるとの見方から原油が２年超ぶりの高値を付けた。

欧州中央銀行（ＥＣＢ）は先週、緩和的な金融政策を据え置いた。市場は米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の今週の会合に注目している。ＦＲＢは緩和的な姿勢を維持する見通しだ。

アナリストは、政策当局がより持続的な物価上昇に構えている兆しがあれば、当局が緩和的な政策を予想より早く縮小するとの見方が浮上し、株価に打撃となり得ると指摘した。

＜ユーロ圏債券＞　イタリア１０年債利回りがやや上昇したものの、欧州中央銀行（ＥＣＢ）のラガルド総裁のハト派的な発言を受け、数週間ぶりの低水準近辺にとどまった。

ラガルド総裁は１４日に公表されたポリティコとのインタビューで、ユーロ圏経済は転換点にあるが、新型コロナウイルス危機を受けて導入した緊急支援措置の縮小を議論するには回復が強固で持続可能なものになる必要があると指摘。１兆８５００億ユーロ規模のパンデミック緊急購入プログラム（ＰＥＰＰ）の縮小について「この問題を議論するのはかなり時期尚早だ」と述べた。

これを受け、ＥＣＢの買い入れで大きな恩恵を受けているイタリアの１０年債利回りは０．７４％と、約８週間ぶりの低水準を更新。その後、２．３ベーシスポイント（ｂｐ）上昇の０．７７１％となったが、同利回りは先週、１３ｂｐ低下している。

ＩＮＧのシニア金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「先週と今週のラガルド総裁の発言が利回りの安定化につながっている」と述べた。

ギリシャ５年債利回りは一時マイナス０．０１２％と、昨年１１月１３日以来の低水準を付けた。

他の大部分のユーロ圏国債利回りは、米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）を１５─１６日に控え、やや上昇。独１０年債利回りは１．４ｂｐ上昇のマイナス０．２５４％。

市場は欧州連合（ＥＵ）復興基金債の発行に注目。第１回目の調達額は１００億ユーロで、発行は１５日に完了する見通し。ウィズダムツリー・アセットマネジメントの調査部門責任者、リディア・トレイバー氏は、ＥＵ復興債は代替の投資手段になるとし、ＥＵとＥＣＢは追加的なツールを得ることになるとの見方を示した。

＜為替＞欧州終盤アジア市場終盤コード

ユーロ／ドル　　　 1.2123 1.2117

ドル／円 109.98 109.67

ユーロ／円 133.34 132.91

＜株式指数＞終値前日比％前営業日終値コード

ＳＴＯＸＸ欧州６００種 458.32 +0.81 +0.18 457.51

ＦＴＳＥユーロファースト３００種 1766.92 +3.14 +0.18 1763.78