「稼げる社員」になるにはどうしたら? 若手社員に伝授...仕事でモチベーション高めた経験を思い出して
J-CASTニュース / 2024年3月6日 12時0分
「稼げる社員」になるにはどうしたら?
これからの時代、「稼げる社員」しか、会社で生き残ることはできない。人事制度改革・人事コンサルティングで手腕を発揮する、高城幸司さんが、仕事に「ひねり」を加え、上司の指示を超えた行動をするための仕事術を伝授する。
今回のポイントとして、高城さんは、とくに若手社員に向けて「仕事を通じて動機付け=モチベーションを高めた経験にフォーカスしてほしい」という――。
似て非なる「働きやすさ」と「働きがい」
「働きやすさ」と「働きがい」は似ているようですが意味は全く違います。
「働きやすさ」は、労働環境や福利厚生制度、人事制度・給与などの満足度や納得感など衛生要因=仕組みの充実度が基準です。
一方で、「働きがい」は、動機付け要因=仕事の質や量などが適切に評価されることや、仕組みがしっかり運用されているか否か? が基準となり高いor低いと評価されるものです。
当然ながら両方とも重要で2つがしっかりと充実していることで企業の生産性、成果が高まると言われています。
ただ、世間は人手不足の真っただ中なので、両方ともしっかり整備しようとやっきになっている気がします。そうでないと、人材流失につながるからです。
とはいえ、仕事を選べる立場になる社員――なかでも若手社員は、こうした企業の努力の活用しているのか? 「働きやすさ」に関しては比較検討、理解をしていますが、「働きがい」に関しては十分ではないように感じます。
その理由は、自分の働きがい=動機付けを的確に自己分析していないからです。
「働きがい」について、具体的に答えられない若手社員
たとえば、私が、ある製造業の若手社員にインタビューしたときの話を紹介します。
「あなたにとって働きやすさと働きがいの基準は何ですか?」と訊ねたところ、「働きやすさ」として、休暇の取得や家賃補助など条件を聞くと、具体的なイメージが出てきます。
ところが、「働きがい」に関しては、仕事で成功体験が少ない世代のため、具体的な事例がでてきにくい。なぜなら、仕事を通じて動機付け=モチベーションを高めた経験が少ないからです。
そこで、「お客様から笑顔をいただくとモチベーションがあがる」と回答してくれた若手社員に、こう尋ねました。「具体的にどのような場面で笑顔をいただいたのですか?」と。
さらに、「もう、少し具体的に教えてください」「どうしてモチベーションがあがったと思いますか?」と質問を続けていくと、正確な場面が回答できないことが少なくありませんでした。
あるいは、「本当にモチベーションあがったの?」と思えるような場面しか説明できない人が大半だったのです。
これに対して、もちろん、具体的で「なるほど」と思える働きがい=モチベーションがみつかっている若手社員もいます。
ある社員の話――。その社員は製造部門の改善活動で具体的な提案をすることになり、日ごろから考えていたプランを提出しました。先輩から「やり直し」の要求を何回ももらい、泣きそうになりながら作成しました。
これが結果として、提出したプランが「敢闘賞」を受賞。
さらに、本人は「仕事ぶりが周囲から認められ、その改善プランが現場で活用されるようになり、働きがいを感じました」と語ってくれました。
学生時代の経験にもヒントがある
おそらく、「敢闘賞」の受賞でモチベーションが小さくあがり、現場で活用されたことでさらに大きくあがったのでしょう。こうした成功体験がないと、「動機付け」にリアルさが出てこないのでしょう。
そうは言っても、人生で大なり小なり動機付けになる体験はあるもの。これまでの社会人としての仕事ぶりで明らかにモチベーションがあがったのはどこか? そして、そのあがった要因を振り返ってみてください。
もし、どうしても思いつかないときには、学生時代までさかのぼってみましょう。
各自の動機付けは環境によって変化する場合もありますが、現在の自分が充実したビジネスライフを過ごすための重要なヒントになります。
見えてきた動機付けは、当時と現在でも同じか? これを、自分のなかですり合わせしてみてください。
そして、その動機付けが十分に満たされる職場であれば、そのまま頑張る。どうやら満たされないようであれば、転職などで環境を変えてみる選択もありかもしれません。
【筆者プロフィール】
高城 幸司(たかぎ・こうじ):株式会社セレブレイン代表取締役社長。1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
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