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役職定年した“年上の部下” 「期待されていない」と意欲低下も、どう接する?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月15日 8時0分

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年上の部下とどう接する?(提供:ゲッティイメージズ)

 高齢になっても働き続けたいと考える人は多く、60歳以上の2人に1人が、65歳を超えても働き続けたい、または働けるうちはいつまでも働きたいと考えているとの調査結果もあります(内閣府「高齢者の経済生活に関する調査」 2019年)。

 一方で、役職定年制を運用している企業では、役職定年後の社員のモチベーションダウンやマネジメントの難しさについて悩む声も聞かれます。

 主に50代以降の会社員に、課長や部長のポストをしりぞいた後もいきいきと活躍してもらうためには、どのような関わりが有効なのでしょうか? 本稿では、役職定年後の部下に管理職としてどのようにアプローチすべきかを考えます。

●役職定年すると変わること

 筆者が在籍するリクルートマネジメントソリューションズは、21年に「ポストオフ経験に関する意識調査」を行いました。この調査では、従業員規模300人以上の企業に勤める50~64歳のポストオフ経験者(※)766人に、ポストオフ前後の経験について尋ねています。

(※)ポストオフ経験者:役職定年制度・役職任期制度(一律の年齢や期間で組織長などの役職を外れる制度)やそれに準ずる運用が自社にあり、自身が一律の年齢や期間で組織長などの役職を外れるポストオフの経験をした人を本稿ではポストオフ経験者と呼びます。

 調査の結果、ポストオフ後に賃金が下がったと回答した人は全体の82.8%に上りました。また、ポストオフ前と比べて周囲から期待されることが減ったと感じている人も半数以上おり、仕事量や労働時間が減った・人事評価が下がった人も半数以上という結果でした。

 さらに、職場で1日に会話する人の数や、自ら主体的に仕事を進める度合いも減ったという声が多く、ポストオフが職務生活に大きな影響を与える様子が見て取れます。

 報酬が下がり、期待されなくなり、周囲との会話も減り、主体性も発揮できなくなる──そう考えると、役職定年したシニア社員に、モチベーション高く働けというのも無理があるように思えます。

 また近年では、そもそも年齢で一律に処遇を決めることの難しさ、環境変化による人材不足などを背景に、役職定年制度を見直す企業も出てきています。

 50代以上の部下を持つ方は今一度ご自身の会社の制度を確認し、役職定年制度・役職任期制度の有無や位置付け、処遇や今後の見通しをしっかりと理解しておくとよいでしょう。

●関わりのポイント(1)相手の良さを見つけ、敬意を持つ

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