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香川初の「恐竜」特定、ハドロサウルス類の背骨…岡山理科大の林准教授研究チーム

読売新聞 / 2024年9月3日 13時48分

 香川県さぬき市で1986年に発掘された化石について、岡山理科大の林昭次准教授(43)(古生物学)らの研究チームが、草食恐竜「ハドロサウルス類」と確認されたと発表した。背骨の一部といい、同県内で恐竜の化石が見つかるのは初めて。林准教授は「香川では古生物の化石が多数出ており、これからも恐竜が発見される可能性がある」と話す。

 化石は86年10月、同県丸亀市の男性が、白亜紀後期のカンパニアン期(約8300万~7200万年前)の地層で発見した。長さ98・5ミリ、高さ83ミリ、幅は最大92ミリ。男性はアマチュアながら専門家の間でも知られる研究家だったが、恐竜の化石と特定できず、謎のまま自宅に保管していた。

 男性はその後、岡山県内で採集した大量の化石コレクションを、大阪市立自然史博物館へ寄贈することに。2013年に当時、同館学芸員だった林准教授がコレクションを確認するため、男性宅を訪れた。

 アンモナイトを中心に海の生物に交じり、謎の化石を手にした瞬間、「陸上の恐竜ではないか」と直感した。「海の首長竜だと骨がもっと薄く、モササウルスとは関節部分の形状が異なっていた」

 同館は16年、恐竜の化石と発表した。骨の形状からハドロサウルス類と推定されたが、特定には至っていなかった。

 林准教授の研究チームは、モンゴルで発掘された化石や、国内外の研究論文と化石を比較。コンピューター断層撮影法(CT)で内部構造を調べ、ハドロサウルス類と特定した。研究成果をまとめた論文は7月、日本古生物学会の国際学術誌に掲載された。

 ハドロサウルス類は全長7~8メートルでカモのようなくちばしを持ち、カモノハシ恐竜とも呼ばれる。白亜紀に栄え、国内では特にカンパニアン期の地層からは多様な化石が見つかっているという。

 この時代、香川は海中だった。化石にフジツボが付着しておらず、同じ地層から巨木の化石が見つかったことから、林准教授は「巨大な津波にのみ込まれて海へとさらわれ、その直後に土砂が 堆積 たいせきした可能性が高い」とみている。

 化石が出土した地層は、松山市から香川、徳島両県の讃岐山脈、淡路島(兵庫県)を経て和歌山県へと続く「和泉層群」の一角。化石の産地として知られ、淡路島でもハドロサウルス類の化石が出ている。林准教授は「発掘調査の少ない香川には、まだまだ恐竜が眠っているかもしれない」と話した。

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