石破首相、対中国念頭「秩序維持にグローバル・サウスの重要性高まる」…マレーシア首相と会談
読売新聞 / 2025年1月10日 19時0分
【プトラジャヤ(マレーシア南部)=太田晶久】石破首相は10日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相と同国の首相府で会談し、対中国を念頭に海洋分野などでの安全保障協力の推進で一致した。半導体の供給網
会談は約1時間半行われた。石破首相は「世界中で緊張が高まり、紛争が起きる中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持する上でグローバル・サウス(新興・途上国)の重要性が高まっている」とし、関係強化を呼びかけた。
両首脳は、マレーシアと中国が領有権を争う南シナ海や中東などの情勢を議論し、安保協力の重要性で一致。海上保安機関による共同訓練の活性化で一致したことも歓迎し、外務・防衛当局の戦略対話の促進や防衛装備品協力を確認した。
マレーシアは安保面で中国と摩擦を抱える一方、中露主導のBRICSに加盟申請するなど、経済面で中国への接近を強めている。日本側はマレーシアの対中傾斜に歯止めをかけたい考えで、会談では、重要物資の供給網確保で協力し、日本提唱の「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」を通じて脱炭素化に取り組むことを改めて確認したほか、防災・減災の知見共有でも一致した。
マレーシアは今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国。同行筋によると、石破首相は会談で「この地域への米国の建設的関与は米国自身の国益にかなう」と述べ、トランプ次期政権にもASEANとの連携を促す考えを示した。首相は現地での日程を終え、政府専用機でインドネシアに移動した。
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