有罪評決のトランプ氏、「無条件の釈放」ながら控訴の意向…「完全に無実で悪いことしていない」
読売新聞 / 2025年1月11日 12時31分
【ニューヨーク=山本貴徳】米国のトランプ次期大統領が不倫の口止め料を不正に処理したとされる事件の裁判で、ニューヨーク州地裁は10日、有罪評決を維持しつつも、収監や罰金を命じない「無条件の釈放」を言い渡した。トランプ氏は控訴する意向を表明したが、有罪評決を受けながら就任する初の大統領になる見通しだ。
判事は量刑の理由について、合衆国憲法が現職大統領への刑事訴追を禁じていることなどに触れつつも、「大統領に陪審員の評決を覆す権限は与えられていない」と説明した。その上で、「この国の最高の地位の職務を侵害することなく、有罪判決を確定させる唯一の合理的な方法は、無条件の釈放だ」と述べた。
トランプ氏はフロリダ州の邸宅からオンラインで裁判に参加し、「政治的な魔女狩りだった。私は完全に無実で、何も悪いことはしていない」と改めて主張。量刑言い渡し後、自らのSNSに「卑劣な茶番劇だった。根拠のないでっち上げには控訴する」と投稿した。
トランプ氏は2016年の大統領選の前に、顧問弁護士を通じて不倫相手の女性に13万ドル(約2000万円)の口止め料を支払い、それを隠すために業務記録を改ざんした罪などに問われた。陪審員は昨年5月、伝票や小切手の改ざんといった計34件の罪状すべてで有罪との判断を下していた。
トランプ氏はこれまで、不倫や不正への関与を一貫して否定してきた。大統領選の結果を受け、「免責」特権が適用されるべきだとも訴え、有罪評決の取り消しなどを求めていた。
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