政府支援、食料不安が高まる層を対象にすべき=IMF報告書
ロイター / 2022年4月21日 1時0分
国際通貨基金(IMF)は20日公表した各国の財政に関する報告書で、各国政府の財政支援はエネルギーや食料価格の上昇で最も大きな打撃を受けており、ロシアのウクライナ侵攻で食料不安が高まっている層を対象にすべきと指摘した。アフガニスタンで1月撮影(2022年 ロイター/Ali Khara)
[ワシントン 20日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は20日公表した各国の財政に関する報告書で、各国政府の財政支援はエネルギーや食料価格の上昇で最も大きな打撃を受けており、ロシアのウクライナ侵攻で食料不安が高まっている層を対象にすべきと指摘した。
報告書は、食料とエネルギーの価格上昇で社会不安のリスクが高まっており、特に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で既に多額の債務残高に苦しんでいる低所得国は金利上昇の中で借り入れコストの増加に直面していると報告した。
IMFのガスパール財政局長はロイターのインタビューに対して「行き詰まった際に脆弱な人々を保護するために政府が特別な役割を果たすことは、社会の一体性を保つのに大いに役立つ」と語った。
ガスパール氏は、金融危機やパンデミック、物価の変動や高騰が分裂や争いを悪化させる可能性があるとの裏付けは十分あり、そうした懸念に対処するために財政政策は重要な役割を担っていると指摘。「全ての人に食料安全保障を提供することは、あらゆる国の公共政策にとって必要不可欠だ」とし、広範で一般的な補助金はコストがかかりがちで、それよりも現金給付といった対象を絞った臨時的な措置を支持するとした。
国内での物価上昇を抑えるために多くの国が実施している措置は、世界的な需給ギャップを悪化させ、物価をさらに上昇させる恐れがある。
ガスパール氏によると、食料費は先進国の平均的な世帯では家計支出の10%であるのに対し、低所得層世帯では60%に達する。
しかし、多くの国は今回の危機に十分に対応できるような支出能力に欠けている。新型コロナ禍の最盛期に前例のない支出があり、2020年には世界の債務残高が2260億ドルとなり、年間の債務増加幅としては第2次世界大戦後で最大となったためだ。
ガスパール氏は、IMFは引き続き主要20カ国・地域(G20)共通の債務再編プロセスの明確化と迅速化、交渉中の債務支払いの凍結、民間と公的債権者の同等の取り扱いを確保するための変更を働きかけていくと訴えた。
この記事に関連するニュース
-
IMF借款、上乗せ金利が中低所得国に重圧 債務危機リスク深刻化も
ロイター / 2024年4月25日 14時51分
-
IMF出資国、低所得国の問題に対処する重要性で一致=専務理事
ロイター / 2024年4月22日 10時45分
-
IMFが財政モニター発表、米国の拡張的な財政政策に伴うリスクなど指摘(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月22日 0時30分
-
IMF、中国に不動産危機の早急な解決求める
ロイター / 2024年4月18日 2時9分
-
IMFの経済見通し、米国の2024年成長率は2.7%と前回見通しを上方改定(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月17日 11時45分
ランキング
-
1真榊奉納を「断固非難」=ロシア
時事通信 / 2024年4月25日 21時22分
-
2新防衛戦略の策定提案へ=「欧州、属国集団にあらず」―仏大統領
時事通信 / 2024年4月25日 22時43分
-
3米国、ニジェールから軍撤退を表明(ニジェール、米国、ロシア、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月26日 1時50分
-
4エレベーターが20階から落下、1人死亡=当局「品質には問題なし」―中国
Record China / 2024年4月25日 23時0分
-
518か国の首脳が共同声明 イスラム組織「ハマス」に人質の即時解放求める
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年4月25日 23時17分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください