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全国コアCPI、2月+2.8% 春闘受けサービス価格に先高観も

ロイター / 2024年3月22日 10時41分

 総務省によると、2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は106.5となり、前年同月比2.8%上昇した。写真は2020年12月、都内で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[東京 22日 ロイター] - 総務省が22日に発表した2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は106.5と、前年同月比2.8%上昇した。政府のエネルギー価格抑制策による下押しが剥落し、コアCPIの伸び率は前月の2.0%を大きく上回った。一方、サービス価格の上昇率は前月と変わらなかったが、強い春季労使交渉(春闘)の1次集計を受け、エコノミストからは先行きに強気な見方が出ている。

コアCPIはロイターがまとめた民間予測、2.8%上昇と一致した。

エネルギー価格は1.7%下落と、前月の12.1%下落から下落率が大幅に縮小した。電気代は2.5%下落、都市ガス代は13.8%下落でともに前月より下落率が大きく縮小した。

宿泊料は33.3%上昇で、前月の26.9%上昇を上回った。前年に見られた全国旅行支援の影響の反動に加え、2月に3連休が2回あったことや中国の春節に伴って国内外の観光需要が一段と高まったことも押し上げにつながった。前月比では5.0%上昇した。

一方で、生鮮食品を除く食料は5.3%上昇と、前月の伸び率5.9%を下回った。伸び率の縮小は6カ月連続。総務省の担当者は、値上げが集中したことで生鮮食品を除く食料の指数は23年前半に上昇していると指摘。今後、同指数が現水準で横ばいなら「前年同月比の上昇幅は縮小傾向が続く」と述べた。

コアCPIの対象品目522のうち、上昇は423、下落は66、変わらずは33だった。

<強い春闘、サービス価格に追い風>

財・サービス別では、財価格が3.3%上昇と、伸び率が前月の2.1%から大幅に上昇する一方、サービス価格は2.2%上昇で伸び率は前月から変わらなかった。もっとも、春闘の強い結果を受け、サービス価格の先行きに強気な見方が出ている。

連合が15日に発表した2024年春闘の1次集計によると、基本給を底上げするベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は平均で5.28%となり、前年同時期に比べて1.48ポイント上昇した。1991年の5.66%(最終集計)以来33年ぶりの5%超えとなった。

UBS証券は春闘の強い結果を受けて物価見通しを上方修正する予定。栗原剛・次席エコノミストは、賃金上昇率が現在の2%前後から3%まで加速する可能性が高いとし、宿泊料や外国パック旅行費を除くサービス価格も2%台に乗せる可能性が「だいぶ高まった」と指摘する。

サービス価格は現状、外食や宿泊料、外国パック旅行費といった一部の品目が押し上げる構図になっている。栗原氏によれば、宿泊料・外国パック旅行費を除くサービス価格は1月の1.5%から1.4%に減速したが「賃金上昇に伴い、幅広い品目で安定して2%台に乗せていく可能性が高まっている」とする。

サービス価格の上昇率拡大は、生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)にプラスの影響をもたらしそうだ。栗原氏はコアコアCPIについて「引き続き2%までは減速していく見込みだが、その後はサービスインフレの押し上げを背景に2%近傍で推移していく可能性が高い」とみている。

コアコアCPIは2月に3.2%上昇と、前月の3.5%上昇を下回り、23年1月以来の低い伸び率となった。

日銀は18-19日の金融政策決定会合で大規模緩和策の修正を決定。マイナス金利を解除し、短期金利の操作を中心とする政策運営に移行した。

植田和男総裁は現時点の経済・物価見通しを前提にすれば「当面、緩和的な金融環境が継続する」と強調する一方、追加利上げの条件として、基調的な物価上昇率の上昇や物価見通しの大幅な上振れを挙げた。

(和田崇彦)

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