頭狙い振り下ろしたか＝学生８人中７人―法政大ハンマー襲撃・警視庁

　法政大多摩キャンパスで女がハンマーを振り回し、学生８人が負傷した事件で、うち７人が頭を殴られていたことが１１日、警視庁国際犯罪対策課への取材で分かった。女は授業中に突然立ち上がり、教室前方から最後列に移動して殴り始めたといい、同課は詳しい動機を調べている。

　同課によると、傷害容疑で逮捕されたのは韓国籍の留学生で、法大社会学部社会政策科学科２年のユ・ジュヒョン容疑者（２２）。

　同容疑者は前から３列目の席で授業を受けていたが、開始約１０分後に突然立ち上がり、教室後方に歩いていった。最後列に座っていた男女５人の後方から頭などにハンマーを振り下ろした後、周辺にいた３人を襲ったという。７人が頭を、１人が右腕をけがしたが、いずれも軽傷だった。

　同容疑者はその後、教室前方に向かってハンマーを振り回しながら歩いたが、途中でハンマーを手放し、駆け付けた大学職員に確保された。

　８人のうち２０代男性と１０代女性は、それぞれ同容疑者と少人数クラスの講義で自己紹介したり、４～５回同じ講義を受けたりして面識があった。２人は面識がなく、残る４人は捜査中という。

　同容疑者は２０２３年３月末、２年３カ月間の留学資格で来日し、同年４月に入学した。逮捕後の調べに対し、「日ごろからいじめを受け、軽く見られていると思っていた」「いじめをやめさせるには同じ教室の学生たちを殴るしか解決方法がないと思った」などと供述しており、同課が詳しい経緯を調べている。　

［時事通信社］