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米耐久財コア受注、7月1.9%増 コロナ前水準依然下回る

ロイター / 2020年8月27日 3時56分

米商務省が26日発表した7月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比1.9%増加した。ミシガン州ロムラスで昨年8月撮影(2020年 ロイター/Rebecca Cook)

[26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した7月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比1.9%増加した。

好調に伸びた6月の4.3%増からはペースが鈍化し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の先行き不透明感が漂う中で、設備投資が緩やかに持ち直すことを示唆した。市場予想も1.9%増だった。

コア資本財受注はパンデミック前の水準をやや下回っている。

7月の前年同月比は1.9%減だった。

オックスフォード・エコノミクスのシニア米国エコノミスト、リディア・ブソワ氏は「設備投資が2022年半ば前までに、コロナ禍前の水準に回復することは想定していない」と指摘。「受注はパンデミック前の水準近辺まで回復しているものの、前月からの伸び鈍化は完全な回復にはまだ時間がかかることを示唆している」と述べた。

新型コロナの感染件数は5月の経済活動再開後に再び増加したが、このところは落ち着いてきた。それでも先行きは不透明で、感染者多発地域はまだ多く残る。

バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズのエコノミストはリサーチノートで「経済指標のトレンドは大きく変わっていない。経済活動が著しく加速するには、コロナ新規感染者数がより大幅に減少する必要がある」と指摘した。

コア資本財受注では機械や組立金属、電算機・電子製品、電機・家電の伸びが目立った。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「回復はなお一様でない」とし、「コンピュータや通信機器の受注は2月の水準を超えたが、機械や金属はもたついており、利益見通しは低調だ」と述べた。

国内総生産(GDP)の設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷は前月比2.4%増。6月は3.8%増加していた。依然として2月の水準を0.4%下回っている。

3月中旬に生活に必須でない事業が閉鎖を強いられたほか、原油価格が急落し、設備投資は低迷した。設備投資はパンデミック前から米中貿易摩擦ですでに抑制されていた。

設備投資が持ち直し始める中、製造業の回復が加速している。先週発表された8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は19カ月ぶりの高水準を付けた。新型コロナのパンデミックを受け、需要がサービスからモノに移ったことが押し上げ要因だった。

設備投資は第2・四半期に年率27%減と、過去最大の落ち込み記録した。機器への投資は37.7%減と、過去最大のマイナスだった。機器投資は5四半期連続で減っている。

エコノミストは企業利益が第2・四半期に過去最大の落ち込みを記録するとみている。第2・四半期国内総生産(GDP)改定値は27日に発表される。

7月の全体の耐久財受注は前月比11.2%増だった。6月は7.7%増加だった。耐久財はトースターから航空機まで3年以上使われるモノを指す。内訳は、自動車が21.9%増。6月は85.6%増加していた。7月に民間航空機の受注はなかった。輸送機器全体は35.6%増。6月は19.7%増加していた。自動車の方が航空機よりも輸送機器の比重が大きい。

米航空機大手ボーイング のウェブサイトによると、7月の受注は0件だった。6月は1件。ボーイングは、新型コロナ危機による航空需要の低迷で旅客機のキャンセルが出ており打撃を受けている。また、「737MAX」が墜落事故を受け運航停止となっていることも重し。

*内容を追加しました。

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