米、在独米軍1.2万人削減へ 半数は欧州に再配置
ロイター / 2020年7月30日 2時49分
米軍は29日、トランプ大統領の決定に従い、ドイツに駐留する約3万6000人のうち約1万2000人を削減すると発表した。独ラムシュタイン空軍基地で20日撮影(2020年 ロイター/KAI PFAFFENBACH)
[ワシントン 29日 ロイター] - 米軍は29日、トランプ大統領の決定に従い、ドイツに駐留する約3万6000人のうち約1万2000人を削減すると発表した。ただ削減分の半数はロシアとの緊張の高まりに対応するため、欧州の別の場所に再配置する。
トランプ大統領は先月、ドイツは北大西洋条約機構(NATO)の防衛支出目標を達成していないと非難し、在独米軍の規模を約3割削減する意向を表明。この日、ホワイトハウスで記者団に対し「米国はいいカモにはならない。ドイツが必要な拠出を行っていないために在独米軍を縮小する。極めて単純だ」と述べた。
エスパー国防長官は、在独米軍を削減するものの、2014年にクリミア半島を併合したロシアに対するNATOの取り組みを損ねない形で実施すると説明。削減される1万2000人のうち約5400人が欧州にとどまるとした。
エスパー長官によると、一部は黒海周辺地域に再配置されるほか、一時的にバルト海周辺地域に駐留する部隊もある。また、一部はイタリアに恒久的に再配置される可能性がある。米軍の欧州本部はドイツのシュツットガルトからベルギーに移転する。
米当局者は、近く異動するのは少数の先遣隊にとどまり、費用などを踏まえると大多数の異動には数年かかると指摘。11月の米大統領選の民主党候補指名を確定させたバイデン前米副大統領は、大統領に選ばれた場合は在独米軍の削減計画を見直すと明らかにしている。
米国は第2次世界対戦以降、ドイツを欧州だけでなく中東・アフリカ地域における防衛上の要衝の一つと見なしてきた。ただ、1989年のベルリンの壁崩壊以降は在独米軍を段階的に削減している。
米国の発表を受け、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、NATO同盟国は米国から事前に説明を受けていたと表明。リトアニアのナウセーダ大統領は、より多くの駐留米軍を受け入れる用意があると述べた。
*内容を追加しました。
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