鉱工業生産、8月は前月比3.2%減 自動車減産で2カ月連続マイナス
ロイター / 2021年9月30日 10時18分
経済産業省が30日公表した8月の鉱工業生産指数速報(2015年100)は前月比3.2%低下の95.0で、2カ月連続のマイナスとなった。写真は川崎市の京浜工業地帯で2010年3月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)
[東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日公表した8月の鉱工業生産指数速報(2015年100)は前月比3.2%低下の95.0で、2カ月連続のマイナスとなった。自動車が前月比15.2%減と大幅な減産。リチウムイオン蓄電池やノート型パソコンなども減産となった。
ロイターの事前予測調査では同0.5%低下と予想されており、予想を上回る低下となった。
経産省では生産の基調判断を「足踏みをしている」とし、前月までの「持ち直している」から下方修正した。基調判断の下方修正は、新型コロナによる感染拡大で大幅に経済活動が縮小した2020年4月以来。
<アジアからの部材不足で自動車、掘削機械、パソコン減産>
9月実績は、半導体やアジアからの部材の調達不足による自動車の減産が大きく響き、鉱工業生産指数の前月比マイナス幅の大部分をしめる2.27ポイントが自動車の減産によるものとなっている。
他の業種では、前月比でリチウムイオン蓄電池が28.4%減、ショベル系掘削機械が6.5%減、ノート型パソコンが30.1%減。リチウム電池などはスマートフォン向け需要の低下、掘削機械やノート型パソコンはアジアからの部材調達不足が響いたという。
<3カ月連続マイナスの可能性>
予測指数は9月が前月比0.2%上昇、10月が同6.8%上昇。
予測値は上振れ傾向があるため、これを補正した試算値は9月が同1.3%低下となっている。このため9月は「3カ月連続でマイナスとなる可能性がある」(経産省)という。
調査時点では「アジアからの部材調達不足による混乱の影響は十分考慮されていない可能性があり、下振れリスクがある」と経産省ではみている。
*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html [http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html]
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