「悲惨でした、何もかも私のせい」特急のボックス席が予約できなかった妻に、不機嫌夫の最低発言
オールアバウト / 2024年5月10日 22時5分
家族連れのゴールデンウイークは、「不機嫌な夫」へのイライラをやり過ごす精神力も必要となるようだ。連休明け早々、妻たちの怒りの声が舞い込んできた。
今年のゴールデンウイークも終わった。特に子どものいる家庭であれば、やはりどこかに連れて行ってやりたいと思うのは当然。
行った先が大混雑、夫はイライラして不機嫌になるという定番の出来事もあちこちで起こったようだ。
混雑は私のせいではない
隣県で開催されたイベントに、1泊で6歳と4歳の子どもを連れていったアヤコさん(40歳)。計画を話したときは夫も乗り気だった。「だけど夫は前日の夜、いきなり飲み会を入れたんですよ。めったに会えない海外駐在の友人が一時帰国で戻ってるからどうしても会いたいんだ、早く帰ってくるからと言っていたけど、案の定、午前様。
5時起きで行く予定が6時になりました。いかにもお酒が残っていそうなので運転は私。その代わり、子どもの世話はしてよね言ったのに夫は後部座席で高いびき。こんなことなら置いてくればよかったと思いました」
それでもなんとか無事に会場に着き、夫を起こして4人で会場へと赴いた。子どものことだからトイレに行きたいだの喉が渇いただの、アイスを食べたいだのと立て続けにふたりがわいわい騒ぎ始める。
「上の子をトイレに連れて行こうとすると、夫が『下の子も連れてって』と。下はトイレはしたくないと言っているのに。自分が子どもの相手をしたくないわけです。
夫のそういうところがずるいんですよ。4歳とはいえ男の子だから、『じゃあ、あなたが連れていってよ』と私は娘を女子トイレに連れていきました」
イベント会場で夫と息子を迷子申請
戻ってみると夫と息子の姿がない。トイレに行ったのだろうと待っていたが、なかなか戻ってこない。夫の携帯に電話をしてみても出ない。「結局、夫と息子を“迷子”申請して、会場で放送してもらいました。息子はすぐにスタッフに連れられてやってきましたが、夫は行方不明のまま。しばらくたってやっと来ました。
いったいどこにいたのかと思ったら、夫は息子とともにベンチに座っていたのだけど寝てしまった、と。息子は私を探して動き始め、目を覚ました夫は慌てて息子を探し歩いていた、というんです。
情けなくてため息が出ました。すると夫はスタッフがたくさんいる前で、『だから息子もトイレに連れていけと言っただろ』と大声を出したんです」
前日、予定にない飲み会に行って遅くなったからこういう顛末(てんまつ)になったのに、あたかもアヤコさんが悪いかのように怒鳴る夫に、彼女は腹を立てた。気の毒そうな目で自分を見る周囲の目にも傷ついた。
特急のボックス席が取れず、夫はキレる
「うちも近場の観光地に2泊3日で行ったんですが、悲惨でした。夫は文句ばっかりだし、何もかもが私のせいになるし」憤りを隠せない様子で話してくれたマリエさん(43歳)。10歳のひとり娘と夫と3人で出かけたのだが、行きの電車の中から夫はすでに不機嫌だった。
「ギリギリで特急券を予約したのでボックス席がとれなかったんです。ふたりとひとりに席が分かれた。娘がふたりがけのほうに『ママと座る』と言ったのでそうしたのですが、夫は『誰が払ったと思ってるんだ』とブツブツ。
うちは共働きだから、必ずしも夫の稼ぎがすべてではないんですが、それでも夫はいつもそういう態度をとる。はっきり言ってこなかった私も悪いんですが」
マリエさんは結婚後も「夫の理解のもと、働かせてもらっている」と認識していたそうだ。
最近になって友人から指摘され、そこまで夫の顔色をうかがう必要はないと理解はしたが、長年の力関係を変える勇気は出ないまま。こういった家庭は案外多いのではないだろうか。
「夫を立てておけば平穏だということもありますから……。現地に着いて、まずは旅館に行って荷物を置き、レンタカーを借りていたので遊びに行くつもりだったんです。
すると夫は『今日は疲れた。レンタカーはキャンセルしよう』と。娘はそれを聞いて泣き出してしまった。彼女は行きたいところがあったんですよ。
だから娘をがっかりさせないでよと小声で言ったら『おまえが連れていけばいいだろ』って。
私はペーパードライバーに近いので怖くて無理。わかっていながらそういうことを言うから『お願いします』と言うしかない」
娘と一緒に夫のご機嫌をとるのは「うんざり」
いくらか機嫌を直した夫は、娘に「ごめんごめん、行こうね。パパ、疲れてるけど頑張って運転するから」と恩を着せた。「娘は『パパ、大丈夫? ありがとう』と抱きついていました。それで夫が満足ならよしとするしかない。いつもこのパターンだなと思いながらも、夫が連れていってくれるという形を壊せない。
その後も、娘と私が夫にいちいち感謝しながら、なんとか無事に旅が終わりました。
正直言えば、もううんざり。娘のためにと思ってきたけど、今回、娘にも些細なことでいちいち感謝を求める夫を見ていたら、こうやって知らず知らずのうちに娘を洗脳しているのは私の責任も大きいのかもしれないと反省したんです。
今後のことをもう少しちゃんと考えたほうがよさそうです」
いつもモヤモヤしていたものが、今回の旅行ではっきりとわかった。もう見て見ぬふりをしてはいけないような気がするとマリエさんは真顔になった。
「幼稚な夫」と割り切って付き合っていけるなら、それもいいかもしれない。だがマリエさんは「もう自分の許容範囲を超えている」と感じたという。娘のことを最優先しながら、今後を具体的に考えていくようだ。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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