五月女ケイ子「絵は私にとって夢を叶える道具」 “野望”をテーマにした個展開催
ananweb / 2022年10月9日 21時30分
本誌連載「社会のじかん」で、堀潤さんのニュース解説に、読者目線の素直なコメントと、ひねりの利いたイラストでページを盛り上げている五月女ケイ子さん。現在、2年ぶりの個展が開催されている。タイトルはずばり「野望」!
「野望」を夢想していると、毎日がきっと楽しくなってくる。
「『天下取りたい!』というような大きな野望もあるけれど、ケーキをお腹いっぱい食べたいとか、小さな野望もたくさんあるなと思って。身の回りにあふれている野望を絵におとしこめたら、と考えたんです」
メディアで大活躍の五月女さんだが、キュートでクスリと笑っちゃう、一目で“五月女ケイ子作品”とわかる独自の世界観がある。
「私の描く絵は、どれも野望が隠れているなと思ったんですね。夢を見ていたり、希望を目指したり。目のなかの星や、膨らみ気味の鼻の穴に表れているなって(笑)」
コロナ禍によりいろいろと日常が制限されている、いまの時代性も反映されているよう。
「コロナ禍前に普通にしていたことも、やり方を忘れてしまったというか、うまく元に戻れないところがある気がします。『屋外ではマスクを外していい』と言われても、なかなかできなかったり。人通りの少ない夜に、自転車で帰る途中、マスクをパッと外したときに『野望達成!』と勇ましい気持ちになりました」
五月女さんは、自分のできないことを絵にしていることが多いと感じている。
「フットワークの軽いタイプではないので、家にこもって描きながら、私の代わりに私の絵が外に出て、みんなとコミュニケーションをとってくれているような感じです」
個展の絵はデジタルを使わずアナログな手法で描く。印刷物と違い、重ね塗りや筆遣いがすべて残るので、いつも以上に緊張するらしい。
「眉毛1本の違いでも、表情が変わっちゃうんです。描きかけのものをしばらく寝かせて、悩みながら描いてます。ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』が未完成だったというのがすごくわかる。ずっと手を入れたくなっちゃうんですよね」
アイデアを考えるときがいちばんの至福。ノートにはたくさんの野望スケッチが鉛筆で描かれていた。
「夢というと真面目に語らなきゃいけない感じがするけれど、野望は無責任に言える気がします。汗だくで家に帰って『冷たい麦茶を飲み干すぞ!』と思うのも野望。いまや夜ふかしすら野望(笑)。野望を妄想していると楽しい気持ちになります。絵は私にとって夢を叶える道具。まずは自分を元気にさせているのかな」
メインカットは、決意に満ちた女の子のアップ。頭には松!
天下統一を目指して、みんなでGO!
大好きなものを手に、ソファに埋もれて。髭は、野望の象徴なり。楽しい妄想が満載、気持ちアップ間違いなし!
五月女ケイ子個展「野望」 ギャラリーハウスMAYA 東京都港区北青山2‐10‐26 開催中~10月15日(土)11:30~19:00(土曜、最終日は~17:00) 日曜休 無料 TEL:03・3402・9849 個展では2023年のカレンダーも発売される。
そおとめ・けいこ イラストレーター。山口県生まれ。雑誌、テレビ、広告で大活躍。近著に『乙女のサバイバル手帖』(平凡社)。「淑女のご挨拶スタンプ」「わりと動く!五月女ケイ子スタンプ」などLINEスタンプも人気。
※『anan』2022年10月12日号より。写真・土佐麻理子 インタビュー、文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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