「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」マリナ 役・伊南羽桜インタビュー!「無邪気で天真爛漫だけど、気遣いができるマリナ」
アニメ!アニメ! / 2025年1月24日 18時0分
読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2025年2月号では、秋アニメ『Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。』より、マリナ 役・伊南羽桜のインタビューをお届け。本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。
無邪気で天真爛漫だけど気遣いができるマリナ
――『Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。』(以下、『エパリダ』)という作品に最初に触れたときは、どんなところが印象に残りましたか?
オーディションのお話をいただいた際にコミックス版を読んで、新しさを感じました。追放系ではなく離脱系でしたし、主人公のユークもオラオラしたり自分が前に出たがったりすることなく、サポート役に徹しようとする。迷宮攻略の様子が配信されるという設定も新しいなと感じましたし、嫌みがあるけれど憎めないキャラクターが登場するところにも興味を引かれました。
――ご自身が担当するマリナについての最初の印象は?
事務所に所属して数か月くらいでオーディションのお話をいただいたのですが、マリナのようなハツラツとしたキャラクターの声をあてることは初めてでした。マリナは天真爛漫で明るく前向き、でも17歳なので子供っぽすぎるわけでもない。オーディションではその部分を大切にしつつ、かわいらしさと新人冒険者のフレッシュさも表現しようと思いました。
――オーディションを受ける際、ほかに大切にしたことはありました?
ユークの元教え子3人のうち、マリナを除く2人が落ち着いた性格だったので、うるさくなりすぎないかが心配でした。でも、あまり意識しすぎず、明るく元気であることを前面に出していきました。
――マリナを演じるにあたり、どんなことを心がけましたか?
『エパリダ』はテープオーディションだけだったので、第1話ではオーディションでの役作りを意識しすぎてしまい、スタッフさんからも「演技が緊張していて気負いすぎている」とディレクションがありました。それから「絵にとらわれなくてもいい」と言っていただいたので、その点をまず意識しました。また、マリナは結成するパーティ「クローバー」を積極的に引っ張るキャラクターなので、元気なところをどのくらい出したらいいかを試行錯誤しました。ただ、あまり元気に演じすぎると、ちょっとおバカキャラにも見えてしまうんです。でも、実際はそうではなく、協調性があって、ユークが複雑な顔をしていたら、それに気づくことができるし、場を和ませられるので、そこをきちんと表現したいと思いました。
――戦いでは前衛担当ですが、強さなどは意識しましたか?
そうですね。メリハリを考えて、戦闘時はカッコよさやたくましさを感じてもらえるように意識しました。ただ、初めてのメインキャラクター、初めてのレギュラーで、皆さんと一緒にお芝居をする空間も初めてだったので、なかなか緊張は抜けませんでした。
――何話くらいで緊張が解けたなと思いましたか?
初対面の方とすぐになじめるタイプではないので、第3話くらいまではずっと緊張していました。でも、シルク役の川井田夏海さんがたくさん話しかけてくれて、ご飯にも誘ってくださって。お芝居でつまずいたときには親身になってアドバイスをくださり、第4話のアフレコ辺りでスタッフさんから「慣れてきたね」と言っていただけて、少しずつ自信が持てるようになりました。でも、いまでもアフレコはマリナと一緒に戦いに挑む気持ちでいます。
――マリナを演じていて、難しいなと感じたところは?
マリナは武器に絶大な破壊力を与える「魔剣化」という能力を使えるのですが、重さを感じさせるお芝居にあまり慣れていなくて。何度もリテイクを重ねましたし、ほかのキャストさんからたくさんアドバイスをいただきました。
――スタッフからのディレクションで、ほかに印象に残っているものは?
第1話は緊張していたせいか、「声を張りすぎです」とリテイクが入りました。それから、「もっと脊髄反射で話していい」というお話もありました。これはスタッフさんに限らず、キャストの皆さんからも言っていただき、考えすぎずにパッと言葉を出すように心がけました。あと、マリナは「~しようよ!」と提案することも多いので、ほかのメンバーが会話を続けられるように気をつけましたが、それ以外は自由にお芝居をさせていただいています。
――「クローバー」のメンバーとの会話で、お芝居の変化はありましたか?
ありました!皆さんとお芝居をしていると、自然と3人の力になりたい、3人のことが大好きというポジティブな気持ちが生まれてきたんです。キャストがみんな仲よしなので、それが自然とキャラクターにも反映されている気がします。
――マリナは「クローバー」のムードメーカー的な存在ですが、彼女の好きなところを教えてください。
私は考え込んだり慎重になりすぎたりするタイプなのですが、マリナは逆で、ユークからクエストの話を聞けば「やろう!」と即答できる。とにかくやってみようと思えるところが好きです。「クローバー」のメンバーが大好きで、仲間思いなところも魅力的です。アフレコでも、不安がる自分にマリナが手を差し伸べてくれる感覚があって、マリナにはずっと助けられています。
――そんなマリナと自分とで似ているところはありますか?
素直なところは似ているかなと思います。私も自分の意見はきちんと言葉にしますし、気持ちがすぐ顔に出るので、そこも似ていますね。ごはんを食べているときは、顔が明るくなるし、落ち込んでいるとすぐにわかっちゃうらしいんです(笑)。それから、人一倍食べるところもそっくりです。私もラーメン店や定食店で麺やごはんを大盛りにするんです。一度、ラーメンの大盛りを食べたあとにタピオカのLサイズを注文したら、友達に引かれました(笑)。
――「クローバー」のメンバーにはどんな印象がありますか?
ユークは、マリナと3歳しか年齢が違わないのですが、スキルが強いこともあって、もっと上な印象です。面倒見がよくてやさしくて裏表がないので、人たらし感が強いです。みんなをサポートしてくれるけれど、みんなもユークのために何かしたいと思わせてくれるキャラクターです。ただ、教え子たちの想いに鈍感なので、時々ツッコみたくなります(笑)。彼はあまりワガママを言わないので、もっと言ってほしくなります。シルクとレインは面倒見がいいという共通点はありますが、シルクはしっかりしていて、マリナと同い年だけれど、大人びた感じがあるんですね。でも、抜けたところもあってかわいい。マリナの性格もわかった上でいろいろと注意をしてくれるので、マリナにとってはお姉ちゃんみたいな存在です。レインは、ひたすらにかわいくて、守りたくなるような存在です。ふわふわしているように見えてじつは芯があり、ユークと同い年の最年長。落ち着いている「クローバー」の見守り役ですが、話が進むとだんだん積極的になっていって、意外性があるところも魅力です。
――ユークがかつて所属していたパーティ「サンダーパイク」をはじめ、多くのキャラクターが登場しますが、現時点で伊南さんの推しキャラは?
私だけでなく、キャストさん満場一致で、「サンダーパイク」のリーダー・サイモンが好かれています。「クローバー」にとってはライバル役ですが、なんだか憎めないんです。ユークとはまた違ったまっすぐさがあり、応援したくないけど応援したくなる、みたいな不思議な魅力があります。
――アフレコでの思い出は?
マリナがご飯中に「大食いキャラ」と言われて恥ずかしがるシーンがあるのですが、そこで私のお腹が鳴ってしまったことがありました。幸い、音はマイクに乗らなかったのですが、笑いが起きてちょっと恥ずかしさがありつつも、マリナに近づけたような気がしました。それから、バリー役の世界さんが、いつもカフェラテやコーヒーを差し入れしてくださるんです。それがすごく美味しくて大好評ですね。ほかにも、ケータリングのお菓子を休憩中にみんなで食べて感想を言い合うなど、すごく居心地のいい現場です。
――物語冒頭の見どころは?
マリナたち新人の冒険者3人がユークとどのようにつながり、そして成長していくのかにも注目していただきたいです。また、敵はどんどん強くなっていくので、ダンジョン内でのハラハラ感も一緒に味わっていただけたらと思います。
MegamiにQuestion
Q.自分のチャームポイント
A.素直さ
川井田さんから「羽桜ちゃんは、顔に全部出るところが好き」と言っていただけてうれしかったです。感情と表情が全部一致してしまうので、ウソがつけないのですが、その素直さは長所だと思います。
Q.自分のニックネーム
A.はなちゃん、伊南ちゃん
『エパリダ』でははなちゃん、伊南ちゃんと呼ばれることが多く、学生時代も名前の呼び捨てくらいで、ニックネームらしいニックネームがないので、何かニックネームができたらいいな……と思っています。
Q.自分の声の特徴
A.芯がある
初対面の方だとたじろぐような、芯のある声だと言っていただいたことがあります。また、カフェなどで注文するときに店員さんから「聞き取りやすいですね」と言っていただいたことがあります。
Q.自分の性格
A.マイペース
身支度に時間がかかるので、出かける予定時間の2~3時間前に起きたり、『エパリダ』のアフレコがある日は練習時間も含めて朝5時前に起きたりしています。計画を立てているからマイペースでありつつ几帳面でもあるのかもしれません。「羽桜といるとシャキっとしなきゃいけなくなる」と言われたこともあります(笑)。
Q.いま、ハマっているものは?
A.激辛ラーメン
1か月に2~3回はひとりでも激辛ラーメンを食べに行きます。もちろん大盛りです。「蒙古タンメン中本」さんの北極ラーメンは辛さが10倍まで選べるのですが、3倍までしかチャレンジできていないので、いまは4倍を目標にしています。
Q.ラーメン以外で好きな食べ物は?
A.お肉(タン)
スイーツも好きで、子供のころはケーキ屋さんになりたかったのですが、最近は甘いものがあまり食べられなくなっています。食べ物はネギとつくもの以外なら、何でも好きです。そのなかでもラーメン以外でとくに好きなものと言われたらやっぱりお肉、タンですね。
Q.伊南さんが極めたいものは?
A.歌
ずっと歌うことが好きで、高校時代は軽音部のボーカルも担当していました。ボイストレーニングには通ったことがないので、自分の声質などをいろいろ勉強したいです。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.思いは原動力
ユークがいなければクローバーは結成できていないし、マリナたちがいなければ、ユークも冒険者以外の違う世界を選んでいたかもしれない。マリナたちがユークを慕い、ユークが彼女たちをできる子だと思ってくれてクローバーが結成されたので、お互いを支え合い、大切と思える気持ちが作品からも感じていただけると思います。見ていると周りの人に感謝したいと思えるような作品なので、それぞれのキャラクターの思いの強さを感じてもらえたらうれしいです。
Profile
いなみ・はな/10月27日生まれ。東京都出身。ケンユウオフィス所属。
主な出演作はアニメ『キャッチ!ティニピン』エゴピン役など。
作品Information
毎週土曜日深夜0時55分より日本テレビほかにて放送中
https://arank-party-ridatsu-official.com/
5年間、仲間にバカにされ続けてパーティを離脱した赤魔道士のユーク。偶然、冒険者予備研修で講師をしていた際の教え子、マリナ、シルク、レインと再会した彼は、彼女たちのパーティに加入。最難関迷宮【無色の闇】の踏破を目指していく。
(C)右薙光介・すーぱーぞんび・講談社/クローバープロジェクト
●取材・文/野下奈生(アイプランニング)
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