CES 2024でARグラス「Xreal Air 2 Ultra」を体験、高いデザイン性と完成度
ASCII.jp / 2024年1月8日 22時20分
ARグラス「Xreal Air 2 Ultra」を体験!
CES 2024が、米国ネバダ州ラスベガスで、現地時間の1月9日から12日まで開催。
前日、前々日はメディアデイとして、報道関係者向けに新製品が事前公開された。柿落とし的なセッションである「CES Unveiled」では、主にスタートアップ企業の出展者が会場に集まり、新製品や新技術を展示した。
長い道のりを経て、CES Unveiledの会場に到着。真っ先に向かったのは、ARグラスを開発するXREALのブースだ。
XREALは、新型のARグラス「Xreal Air 2 Ultra」を展示。体験することもできた。
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「普通のサングラスと同等」とまではいかないが、かけてみると非常に軽くて装着感がいい。重量はおよそ80gなので、普通のサングラスの2〜2.5倍程度といったところだが、装着時の違和感がほとんどない。
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会場では、3種類のトークンをXreal Air 2 Ultraに認識させて、モードを切り替えるというデモが用意されていた。新搭載の3D環境センサーによって、環境中の画像(デモではトークン)に対する応答速度が極めて素早く、使用にストレスを感じない。
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行動認識機能として、前後、左右、上下の6方向への動きをリアルタイムにモニターするヘッドトラッキングと、視界に入った手の動きを追跡するハンドトラッキングに対応している。画像を認識すると素早くモードが切り替わり、視界に広がる映像が入れ替わるし、手のピンチ操作に対する応答も速い。
内蔵する1920×1080ドットのOLEDマイクロディスプレーは120Hz駆動。装着時は、空間に自然に馴染んでいるように見え、必要十分に精細であると感じた。
価格は9万9800円で、すでに予約販売を受け付けている。メインターゲットは空間コンピューティングの開発者だが、公式サイトでは誰でも購入ができる。
この使用感と、装着感も含めたデザインを9万円台で販売するのには相当な労力があったのではと想像させるし、比較的新しい分野の製品にありがちな“プロトタイプ感”はほぼ感じず、(ブースで短時間試した範囲の感想ではあるが)普及してもおかしくない完成度だと感じた。
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肉体にデジタルの力をインストール
10minds co. ltd.の「motionsleep」はCES 2024 INNOVATION AWARD PRODUCTで「Best of Innovation」を受賞した製品。
いびきが多かったり、睡眠時の呼吸に不快感がある人に向けた製品で、いわば「いびき防止・睡眠体験向上スマート枕」である。
motionsleepを使って眠ると、いびきの音を検出し、血中の酸素飽和度も測定してくれる。これらのバイタルデータに基づいて、内蔵している7つのエアバッグを作動させ、頭と背中の位置を調整してくれるというのが、その機能だ。
快適な呼吸環境を作り出すことで、いびきや呼吸の不快感を軽減できるのだという。大きさは一般的な枕と遜色ないし、見た目も高級な低反発枕のようでクセがない。環境を選ばずに使用できるのも魅力だろう。
そういえば、CES 2024の見どころを実行委員たちが紹介するセッションで、「ヘルステック分野も、今回見逃せないテーマのひとつだ」といった旨を実行委員が話していた。
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神経工学者が設立したAfferenceの「Phantom」は“神経系に直接的に接続して(原文を引用)”指に精密な触覚フィードバックを感じさせるという製品。手首と5本の指それぞれに電極入りのバンドを装着して使用する。これらのバンドが神経系に電気信号を与えて、触覚を擬似的に再現する。例えば、ARディスプレー上で仮想的な物体に触れた時に、その場に実際に物があるかのような感触を与えるといったことができる。
開発者キットも提供されていて、接続デバイスはARデバイスやスマートフォン、パソコン、ゲーミングデバイスなどに対応。公式サイトでは「映画」も接続できるもののひとつとして挙げられているが、劇中の刺激を擬似体験させる用途を意図していると思われる。
「神経系に直接接続する」という考え方、SFの文脈では遠い昔からさまざまな作品で用いられているが、もうファンタジーではなくなり始めているようだ(SFの「神経系に接続」は「脳」であることが多いが)。
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WIRoboticsの製品「WIM」は「Lightweight Walking Assist Robot」として紹介された。「軽量型歩行支援ロボット」といったところか。
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収納されている状態だと、何に使うものなのかわからない(収納されていなくても、意見しただけでは何に使うものなのかわからないが)。WIMは本体ユニットと、そこから伸びるアームとに分かれていて、本体ユニットを腰に巻くように、アーム部を大腿に巻くようにして装着する。
大腿を動かすと、その動きや方向を本体ユニットが検知して、動かした方向へアダプティブに力を加えてくれるという仕様。人間は、筋肉の収縮と弛緩によって体を動かしているが、モーターの力で、その筋肉の動きをサポートしてくれるとも言い換えられる。装着してみた感じでは、筋肉には普段の7割程度しか力を入れていないのに、10割の力を入れているのと同じような動き方をする。
ブースでは、WIMを装着した人が列になって山を登っているビジュアルが用いられていたが、確かにWIMを使えばハイキングは楽になりそう。ちなみに、反対に動かした方向に対する抵抗を増やすモードもあって、これは、いつもの動作が2割程度重くなる体感。面白い製品である。2300USドルで販売予定とのことだった。
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さて、ここまでで紹介した製品に共通する要素がある。それは、人の肉体や感覚に対して直接的に働きかけているという点だ。Xreal Air 2 Ultraは視界に、motionsleepは眠りの質に、Phantomは神経系/触覚に、WIMは筋肉に影響を与えており、それぞれ、デジタルの力で身体の機能を向上させたり、新たな機能を付加したりしている。
COVID-19のパンデミックが起きた際、メタバースやリモートワーク、空間コンピューティングといった概念が急速に広まり、オンラインとオフラインの垣根が調和していく雰囲気があった。現在の私たちは、その後の世界に生きている。ここから、デジタルはどのように進歩するのか? それは誰にもわからないが「現実の空間でデジタルとフィジカルが融合していく世界」は、ひとつの現実的な方向性かもしれない。
もちろん、私自身がそうした分野に興味を持っていて、これらのブースを積極的に取材したという点は否めないが、世界最大規模のテックの展示イベントで、これらの製品が多くの人から注目を集めていたというのも事実なのだ。
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