京セラとJMA Wireless社5Gミリ波バックホールシステム開発契約を締結
@Press / 2021年11月2日 11時30分
京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫、以下 京セラ)とJMA Wireless社(CEO:John Mezzalingua 、以下 JMA)は、5Gミリ波バックホールシステム開発契約を締結しましたのでお知らせいたします。
両社は、5Gシステムを構成する基地局において、ネットワークに接続されるDonor局とアクセスエリアを構成する中継Node局間のバックホール回線を5Gミリ波で接続するシステムの開発を共同で行います。本システムは、光ファイバーが利用できない地域や、施設コストが高くなる地域に5G基地局を迅速かつ効果的に配備することができます。また、システムを構成する全ての機器にO-RANインターフェース※1を採用しており、様々な5Gネットワークに接続することが可能となります。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/283294/img_283294_1.png
5Gミリ波バックホールシステム概念図
■開発背景
現在、5Gサービスが本格化していく中、5Gサービスエリアの迅速な構築が求められています。通常、5G基地局は、光ケーブルにて5Gネットワークと接続され、アクセスエリアを構築していますが、地方や郊外地域などでは、地形等の影響でラストワンマイルでの敷設工事に時間やコストがかかる場面が想定されます。本システムは、Donor局に京セラが有する多素子アンテナによるマルチビームフォーミング技術※2を採用することにより、5Gミリ波の無線バックホール回線で複数の中継Node局を同時接続し多セル化を実現しています。また、回線の品質、多接続の要件についてはソフトバンク株式会社(以下ソフトバンク)の知見を共有いただくことで、国内外のニーズに対応できる製品となるように開発します。
これにより、基地局設置工事の時間とコストを低減し5Gサービスエリアの迅速且つ安価な構築に貢献します。
本システム開発において、京セラの長年培ってきた無線基地局開発技術と、JMAの革新的な仮想化ベースバンド技術※ 3(XRAN)を組み合わせたシステムを共同開発することにより、早期の市場投入を目指します。
※1 O-RAN(Open Radio Access Network)インターフェースとは、5G機器間の接続インターフェースにおいて、O-RANアライアンスで定めたアーキテクチャーの共通仕様。
※2 マルチビームフォーミングとは、特定の方向に電波を強めるビームフォーミング技術を用いて、多素子のアンテナから同時に複数の電波をビームフォーミングし、相手先にそれぞれ向ける技術。
※3 基地局の無線信号処理を、専用機器を用いずにソフトウェアで実現する技術。
■本システムの特長
・設置工事の時間とコストの低減が可能
ラストワンマイルを無線接続できるため、基地局設置工事の時間とコスト等の低減が図れ、迅速かつ安価に5Gエリア環境を実現します。
・小型・軽量・省電力の実現
長年にわたり培った無線基地局の開発技術を活かし、本システムにおいても、省スペース化や設置の簡易化、および省電力化を図ります。
・仮想化ベースバンド技術(XRAN)の採用
Donor局と中継Node局間のマルチ同時接続は、京セラが有するマルチビームフォーミング技術とJMAの仮想化ベースバンド技術による無線制御を組み合わせる事により実現しています。また、中継Node局についてもJMAの仮想化ベースバンド技術を採用しており、システムの柔軟な機能拡張が可能となっています。これにより、オペレーションコストの低減に貢献します。
■各社の役割
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/283294/table_283294_1.jpg
■今後の開発予定等について
京セラとJMAは、ソフトバンクと協議を行いながら本開発を進めており、商用機でのフィールドトライアルについて、ソフトバンクのネットワークで行うなど、サポートをご検討いただいています。これらを経て2022年度中の市場投入を目指します。
■各社のコメント
京セラ 取締役 執行役員常務 ソリューションセグメント担当 伊奈憲彦
「京セラが新たに取り組む通信インフラシステム事業において、JMAとの共同開発に合意出来たことをうれしく思います。京セラは、この画期的な5Gミリ波バックホールシステムをソフトバンク及び様々なキャリア様に提供することで5Gインフラシステムの発展に貢献したいと考えております。」
JMA Italyマネージングディレクター兼 海外販売部門責任者 Remo Ricci
「JMAは、京セラとの共同開発を実施することにより、この画期的な5Gミリ波バックホールシステムを、近い将来ソフトバンクのようなキャリアに提供できることを楽しみにしています。」
ソフトバンク モバイルネットワーク本部 シニアネットワークディレクター 酒井尚之様
「ソフトバンクは、O-RANのインターフェースを介して5Gを展開するために京セラとJMAが新しいソリューションの開発締結を合意したことをうれしく思います。」
≪ご参考≫
■JMAについて
JMA Wirelessは、ニューヨーク州シラキュースを拠点とする、世界最先端のソフトウェアベース5 Gプラットフォームを開発・製造する企業です。JMAは、革新的なソフトウェアソリューションである「XRAN」をはじめとした、消費者と企業のネットワークの高速化、信頼性の向上、およびセキュリティの強化を実現する最先端の製品によって、通信ネットワークの変革に寄与してまいります。詳細は、以下のホームページをご覧ください。
https://jmawireless.com/
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プレスリリース提供元:@Press
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