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東芝、量子インスパイアード計算機を用いた5G基地局向けリソース制御技術を開発

マイナビニュース / 2024年4月22日 17時46分

画像提供:マイナビニュース

東芝は4月22日、量子インスパイアード計算機「シミュレーテッド分岐マシン(SBM)」を用いた5G基地局におけるリソース制御技術を開発したと発表した。

5G通信の最適な時間と周波数の割り当てを行うリソース制御アルゴリズムを開発することで、5Gの規格で期待される最小伝送遅延である1.0ミリ秒を達成するために必要な0.5ミリ秒以下で、20端末のリソース割り当てを行うことに成功したという。

東芝 研究開発センター情報通信プラットフォーム研究所ワイヤレスシステムラボラトリースペシャリストの小畑晴香氏は、「5Gは、高速、低遅延、高信頼な伝送を実現するため、柔軟なリソース割り当てが可能となっている。だが、新しい技術の発展とともにパラメータは増大しており、超低遅延の実現には、超高速のシステム応答時間が必要になる。いわば、5Gならではの能力を最大限に活かすには、超高速に膨大なパラメータを最適化する必要がある」とし、「高速に最適化問題を解くことが可能なSBMを、5Gのリソース制御に応用することで、各端末の通信品質を考慮した割り当てを、0.5ミリ秒以下で行えることを確認できた。複数端末の超低遅延通信が可能となり、工場や倉庫といった産業や物流の現場の産業機器のリモート制御や、自動化の加速に貢献できる。工場のDX化には重要な技術となる。SBMにより、超低遅延に制御が可能になることで、社会のDX化を促進することができる」と、今回の技術の狙いを説明した。

この技術を用いることで、複数端末が超低遅延で通信できるようになることから、工場での複数のロボットの自動制御を実現。自動化したロボットを、数ミリ秒の高速で動作させることができ、労働力不足の解消や生産性向上につなげることができると期待している。

東芝では、約2年前から研究開発を開始。基地局における5Gの無線リソース制御に着目し、これを最適化する技術の実現を目指したという。

5Gの無線リソース制御とは、有限な時間と周波数の組み合わせである「無線リソース」に対して、5Gの規格上の各種制約のなかで、どの端末データを、どの無線リソースに割り当てるか、という組み合わせ最適化問題と捉えることができる。

だが、端末ごとに品質の良い周波数は異なっており、各端末に対して、なるべく品質が良い周波数を使用できるように割り当てたいという要求がある。また、仮に20端末の割り当てを行う際にも、割り当て順序だけでも10の18乗の組み合わせが存在するという課題があった。さらに、最小の伝送遅延を達成するには、0.5ミリ秒以下での最適化が必要になっていた。

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