普通免許と普通二輪の同時取得が可能って本当なの？

1つ免許を取るたびに自動車学校に行くのは面倒。一度に普通自動車免許と普通二輪免許を取れないかと思ったことはないでしょうか。もちろん取れます。しかし、２つの免許を同時に取るためには条件があります。同時取得の条件とはどんなものでしょうか。

■普通免許と普通二輪を自動車学校で受講すること可能なのか

　免許を取るたびに自動車学校に行くのは手間がかかり面倒。一度に2つの免許が取れないかと思ったことはないでしょうか。まずは結論、普通自動車免許と普通二輪免許の２つは同時に取得できます。

　自動車学校では免許同時取得コースを開講している所も珍しくありません。見た感じは全く違う免許のように思えます。しかし、実は共通する箇所があり免許の同時取得には思わぬメリットもあります。ただし期間や費用、条件があるため調整と確認が必要です。

　期間が短いとされる合宿免許コースを使い、別々に普通自動車免許と普通自動二輪免許を取ると仮定します。全ての教習内容が一発合格であったなら、普通自動車免許は14日～17日、普通自動二輪は最短9日とされ、2つの免許を合わせて23日～26日で両方の免許が取れる計算です。

　では同時免許取得の場合はどうかというと日数では23日ほどとされます。加えて2つの免許で重複している学科科目を１つにまとめる仕組みです。

　費用は一律ではなく住んでいる都道府県や通う自動車学校によって多少変わります。税込みで約30万～35万円ほどが基準となる金額と言えます。個別に2つを合宿免許で取得する場合は普通自動車免許が22万～26万円ほど、普通二輪免許が11万～14万円ほどの価格帯になります。

同時に免許を取得する場合でも取得条件は変わりません

　他の免許も同様ですが免許を取得するとき、いくつかの条件を満たさなければいけません。年齢は満18歳以上であることや視力が片目0.3、両目0.7以上。

　そして赤、青、黄色の3色が識別できる。基本的な日本語の読み書き、内容が理解できる。運転に支障がある身体的障害がない。90デシベルの音が聞こえるなど運転に支障がないことが最低条件とされます。

　以上の内容に加えて、合宿免許で2つ免許を取る場合は時間的に1カ月近い空き時間が必要です。最短という表現がされているように、検定の結果や教習の走り方で延長や補修講義を受けることがあります。

　合宿を使わずに空いている時間で免許を取る通学のときは日数がさらに長くなります。個人で1週間のなかで空いている時間が違うため決めることはできません。3ヵ月～6カ月の時間が必要なときもあります。

　合宿免許、通学の両方の具体的な日数は最寄りの通う予定の自動車学校に問い合わせをしてみて下さい。

普通免許と自動二輪免許をオートマ限定免許にし、受講することも可能です

　ここまでは普通自動免許も普通自動二輪免許もMT（マニュアル車）の免許で取るという前提にしています。普通免許にも自動二輪免許にもオートマ限定の免許があり、同時免許取得を受けるとき普通免許をオートマ限定にしたり、普通自動二輪をオートマ限定にしたり、両方ともオートマ限定にすることもできます。その場合は費用や日数が多少短くなるでしょう。

■普通免許と普通二輪の同時取得～そのメリット・デメリットとは～

　2つの免許を同時に取るメリットは多いように思えます。その一方でデメリットもあります。まず免許同時取得のメリットは一度にバイクの運転と自動車の運転を覚えることができることです。それぞれにルールはあるものの同じ公道を走るため、安全運転の基礎となる経験値を最初に多く積むことができます。

　続いて費用的な内容です。自動車学校に通うわけですから入学金が必要です。個別に免許を取るときは2回入学金の支払いが必要になることも珍しくありません。それを同時取得すると入学金の支払いは一度で済み、個別で免許を取るより免許取得の全体の費用がより安くすみます。

　自動車学校によっては卒業後、一定の期間中にもう一度免許を取るために入学すると、入学金を免除するキャンペーンをするところもあります。しかし、それと比較しても同時に免許取得するほうが安いときが多いと言えます。

　初めて免許を取るとき、自動車学校を卒業後に運転試験場で学科テストを受けます。このテストは一度免許を取ってしまえば他の免許を取るとき免除されるものです。しかし、個別に免許を取ると新しい免許の受取りや書き換えのため、もう一度行く必要があります。ですが、同時に免許取得すると一度で2つの免許が交付されます。

　ここから同時免許取得のデメリットについてです。まずは覚えることや科目が増えることです。自動車には自動車の講習とコース、運転のスキルが求められます。バイクはバイクで全く別で必要とされます。

　特に初心者にとって全く違う運転を同時並行で覚えるのは負担が大きいと言えます。両方ともストレートに合格が取れればよいですが、2つとも補修授業になることもあります。加えて期間的にまとまった自由になる時間が必要です。個別に免許を取る場合は、次の免許を取るまでに期間やタイミングを調整できます。

　しかし、同時取得のときは、合宿にしても通学にしてもまとまった時間が必要になります。以上が免許の同時取得のメリットデメリットです。

短期間に2つの種類の違う乗り物の免許を取得することで、見える景色や運転中の心理が同時に体験できます

　最後に免許の同時取得をすると、目には見えない貴重な経験が得られます。短期間に２つの種類の違う乗り物を運転すると、同じ公道を走っていても見える景色や運転中の心理が体験できます。

　普通免許しか持っていない人にはバイクの目線や並走する車の大きさの様子が分かりません。普通二輪しか持っていない人は車のサイドミラーの死角やバイクが実際より小さく見えるということに実感が湧きません。

　最初の両方の体験ができると後から安全運転をするときに事故の予防や周りの車、バイクに適切な配慮や注意が向けられるのではないでしょうか。

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同時免許取得は覚えることが多く、時間的な余裕が必要です。しかし、一度に2つの免許を取ってしまえば、後々の手間が大幅に省けて、お金の節約になるメリットがあります。

合宿免許、通学どちら選ぶのはご自身の都合に合わせて調整すると良いでしょう。しかし、2つの免許を取ると決めているなら、一気に2つ免許を取ってしまうのがよいのではないでしょうか。