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原付一種がなくなるなら…普通免許に原付二種は付帯されるのか?

バイクのニュース / 2021年9月29日 9時0分

近いうち、原付一種はなくなるのではないか...と噂されていることはご存知でしょうか。原付一種は普通自動車免許の取得とともに運転できますが、もし原付一種がなくなった場合はどうなるのでしょうか。

■原付一種がなくなる場合、普通免許に原付二種は付帯されるのか?

 クラッチ操作を必要としない原付二種(スクーターなど)の運転に必要なのは、AT小型限定普通二輪免許です。二輪車業界からは、この免許を自動車普通免許に付帯することを要望する動きがあることも事実です。

 しかし、AT小型限定普通二輪免許が自動車普通免許に付帯されることは難しいのではないかと思われます。その理由には、原付免許とAT小型限定普通二輪免許では、免許取得時に大きな違いがある点が挙げられます。

 原付免許を取得するには、各都道府県の運転免許試験場や運転免許センターへ行き、学科試験を受けて合格します。その後に数時間の技能講習があり、免許証が発行される、という流れです。つまり、原付免許を取得する際には、技能試験がありません。

 一方のAT小型限定普通二輪免許は、教習所に通い、免許を取得するのが一般的です。教習所での教習時間は、所有している免許がない場合で、技能9時間と学科26時間。普通自動車免許がある場合は、技能8時間と学科1時間となっています。

 もし原付二種が普通免許に付帯されるようになれば、利便性も向上して原付二種を利用する方が大幅に増えるのではないかと予想されます。しかし現行の運転免許制度を見る限り、所有している免許がない場合も、普通免許を所有している場合も、技能教習の時間はほとんど変わりません。そのため8時間の技能教習が免除され、原付二種が普通免許に付帯されるということは、考えづらいのです。

 原付二種が普通免許に付帯されることがないとすれば、役割をその後に担うものとして、電動バイクが挙げられます。

ホンダのBENLY e:(法人向け)

 現時点では、ホンダのBENLY e:(法人向け)やヤマハのE-Vinoなどが販売されていますが、これらは、原付免許で運転が可能です。E-Vinoのメーカー希望小売価格は25万9600円(税込)。充電時間は3時間ほどで、1回の充電で走行できる距離は約29kmです。

 原付一種に比べれば、1充電走行距離に物足りなさはありますが、ちょっとした買い物や、通勤のために最寄り駅まで利用するのであれば、十分に利用できる走行距離といえます。

 ここからは、原付1種の保有台数の推移を見てみましょう。原付一種とは、排気量が50cc以下のバイクのことです。保有台数は下降を続けており、1985年に約1460万台であったのが、1995年は約1117万台、2005年は約857万台、2015年は約619万台、そして2019年には約510万台と推移しており、1985年と比較すると、2019年は3分の1近くまで縮小しています。

 一方の原付二種は、排気量が50ccをより高く、125cc以下のバイクのことです。原付一種とは異なり、保有台数は近年微増を続けており、2005年に約135万台であったのが、2015年には約170万台、2019年は約179万台と推移しています。

ヤマハの電動アシスト自転車(PAS mina/PAS ami)

 原付一種の保有台数が減っている理由にはいくつかの理由が考えられますが、そのひとつに、電動アシスト自転車の普及が挙げられます。

 原付一種には道路を走行する上で、他の車両とは異なる特別な交通ルールがあります。例えば、法定速度は30km/h。交差点で右折をする際は、右側の車線から右折をすることが禁止されており、二段階右折をしなければなりません。また、通行帯も、道路の左側の車線を走行することが定められています。

 これに対して電動アシスト自転車は、ヘルメットを着用する義務がないなど、原付に比べて気軽に乗ることができるのです。加えて、原付に課されている軽自動車税や自賠責保険への加入義務もありません。都市部では、駐輪場も電動アシスト自転車の方が探しやすいでしょう。そのため、あえて原付一種を選ぶメリットが減ってきているといえます。

原付二種スクーターホンダ「Dio110」

 また、各メーカーとも、原付一種のラインナップが減っています。日本だけを見れば、まだ原付一種の保有台数は多く販売台数もあります。しかし、世界的に見るとこのサイズのバイクが売れているのは珍しく、諸外国では110ccや125ccのバイクが主流になっているのです。

 メーカー各社は、日本だけではなく世界規模で販売戦略を考えているため、開発コストを考慮すれば、世界で販売できる110ccや125ccに注力することは当然のことであるといえます。

 加えて、ますます厳しくなってきている排ガス規制への対応があります。排ガス規制に対応するためには、改良のコストがかかります。排気量が小さなモデルほど、小さな出力の差が走行に影響を与えてしまうため、対策も難しくなるのです。

 排ガス規制への対応によって、場合によっては原付二種よりも原付一種の方が、価格が高くなるのではないかと言われています。もしそうなれば原付1種はますます廃れていってしまうでしょう。

※ ※ ※

 原付一種が近い将来になくなることは、十分に考えられます。しかし、原付1種がなくなったとしてもそれに代わって、普通免許に原付2種が付帯されるというのは、現時点では考えづらいのではないかと思われます。

 原付一種に代わる乗り物としては、原付免許で運転できる電動バイクが注目されますが、実際どうなるかはわからないものです。原付一種の今後の動向からも、目が離せません。

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