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標高216mの「腰越城跡」には手強い急坂と技巧的な縄張りが残っていた バイクで往く城跡巡り

バイクのニュース / 2022年6月12日 13時0分

全国に数万あったと言われる城。中でも埼玉県の城と言えば観光地としても人気の高い「川越城」や、映画『のぼうの城』の舞台にもなった「忍城」などが有名です。今回は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも注目される比企氏ゆかりの「腰越(こしごえ)城跡」をバイクで訪れました。

■天然の要害に築かれた、中世戦国時代の山城

 埼玉県の指定史跡とされている「腰越城跡」(埼玉県比企郡小川町腰越)は、いわゆる「比企郡城館群」として「松山城」へと繋がるネットワーク形成に役立っていたと考えられているようです。折しも大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも注目される比企氏ゆかりのエリアということですが、いったいどんな山城だったのでしょうか。ツーリングライダーにも人気の高いエリアにバイクで訪れ、「腰越城跡」に登城してみました。

埼玉県小川町を流れる槻川(つきかわ)の近く、県道11号沿いに「腰越城跡」の登城口がある。看板に「パトリアへもお越しください」と書かれているように、バイクや車はパトリアの駐車場を使わせてもらうのが良さそうだ埼玉県小川町を流れる槻川(つきかわ)の近く、県道11号沿いに「腰越城跡」の登城口がある。看板に「パトリアへもお越しください」と書かれているように、バイクや車はパトリアの駐車場を使わせてもらうのが良さそうだ

 山の中の小道を歩いていると、辺り一面にシダ類の植物が茂り、まさに山道という感じです。麓には杖代わりの枝が置かれていましたが、それに気づかずに登ったところ、かなりの急勾配であることに気づきました。

 本郭(ほんぐるわ)、いわゆる本丸や主郭とも呼ばれる、最重要地点に近づくに連れて勾配がきつくなり、最後は息を切らしながら階段を登りました。いつものように軽登山対応の靴を履いて行きましたが、バイクで山城を訪れる際は、地面が滑りやすかったり、石を踏むこともありますので、山道を歩きやすい靴を履くことをお勧めします。山城巡り=軽い登山のつもりで歩くと良いでしょう。

登城口に入るとすぐに山道が始まる。途中苔の生えた丸太橋があり、急な階段が続く登城口に入るとすぐに山道が始まる。途中苔の生えた丸太橋があり、急な階段が続く

 やっとの事でたどり着いた平場は、まだ本郭ではありませんでした。縄張り地図を見て理解できたのですが、北側から登るのは坂がきついものの割と容易いのですが、本郭に行くにはぐるっと回りこまなければならない作りだったのです。

 さらに急な階段を上り、ようやく本郭に登頂! 小川町の眺望が開け、汗ばんだ体に爽やかな風が吹いてきました。戦国時代ならば、途中で何度も命を狙われていたことでしょう。なかなか技巧的な山城です。

標高216mの本郭からは、東側に小川盆地や青山城跡、高見城跡などの山城を眺めることができる標高216mの本郭からは、東側に小川盆地や青山城跡、高見城跡などの山城を眺めることができる

 案内板があったのでその説明を要約すると次の通りです。

・槻川(つきかわ)に三方を囲まれた天然の要害に築かれた、典型的な中世戦国時代の山城である。

・本郭を中心に大小17の郭(平場)があり、周囲を堅堀(たてぼり:地面を細長く掘り、敵の侵入を妨げる)、堀切(ほりきり:尾根を人工的な溝で断ち切ることで敵の侵入を妨げる)などで区画されている。特に堅堀が多く用いられている。

・松山城主上田氏の家老として仕えた山田伊賀守直定の居城として知られている。

 上田氏は山内上杉氏(やまのうちうえすぎし)と対立していた扇谷上杉氏(おうぎがやつうえすぎし)の重臣として活躍。その後、勢力を伸ばしてきた後北条氏の配下となり、上杉謙信勢との激しい攻防の末に松山城主としての地位を固めたようです。その後豊臣秀吉の関東平定に伴い1590年に松山城は落城。それに伴い、この腰越城も廃城とされたようです。

偽の出入り口として仕掛けられた罠の「囮小口」もある偽の出入り口として仕掛けられた罠の「囮小口」もある

 さらに歩みを進めると、二の郭、西の郭、前述の堅堀や堀切、さらに「囮小口(おとりこぐち)」なる偽の出入り口跡なども見られて面白いです。当時のものかは分かりませんが、石垣らしき跡までありました。

 今回、後から知ったので写真を撮り損なってしまったのですが、麓の小川町総合福祉センターの「パトリアおがわ」には、腰越城跡案内板と城跡の立体模型があるようなので、こちらも訪れてみると良いでしょう。

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