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左側に付いているモデルはある? バイクのアクセルが右スロットルな理由とは

バイクのニュース / 2023年3月11日 9時0分

現在販売されているバイクのほとんどは、右側にアクセルスロットルが備えられています。一方、かつては左側にスロットルを持つバイクも多く存在していました。一体なぜ、右側に統一されたのでしょうか。

■かつては左スロットルが主流だった時期も

 現在、日本で市販されているバイクの大半は、右側にアクセルスロットルが備えられています。

 クルマの場合、同じモデルに対して右ハンドル仕様と左ハンドル仕様が設定されていることもありますが、バイクではそういうモデルは存在しません。つまり、バイクは国や地域、メーカーなどにかかわらず、スロットルは右側が基本となっています。

インディアンモーターサイクルはかつて左側にアクセルスロットルが搭載されているモデルをラインナップしていたインディアンモーターサイクルはかつて左側にアクセルスロットルが搭載されているモデルをラインナップしていた

 一方、かつてのバイクには、左側にスロットルが備えられている例もありました。

 アメリカ最古のバイクメーカーとされるインディアンモーターサイクルは、かつて左スロットルのモデルを生産していたメーカーのひとつです。インディアンモーターサイクルがラインナップする1950年代以前のモデルでは、右側に変速機とクラッチ、左側にブレーキ、そしてスロットルという配置が一般的だったのです。左スロットルのモデルは、多くの人にとって利き手である右手が、走行中に自由になるという利点があります。

 当時、アメリカの軍や警察でインディアンモーターサイクルのバイクが多く採用されており、走行しながら右手で銃を使用することもあったことから、左スロットルは走行中に発砲するための配置と言われることもありました。ただ、それはあくまでも俗説。当時のバイクの多くは左側にキャブレターが搭載されており、スロットルとキャブレターが同じ側にあるほうが、機能的効率が良かったことで、左スロットルが採用されたと言われています。また、戦前のイギリス製バイクも、左スロットルが採用されたものが多かったようです。

 一方でインディアンモーターサイクルと同じくアメリカのバイクメーカー、ハーレーダビッドソンは創業当初から右スロットルを採用していました。

 長らくライバル関係にあった両者ですが、1950年代以降順調に販売台数を伸ばしていったハーレーダビッドソンに対し、インディアンモーターサイクルは極度の経営不振におちいり、1953年に生産を停止。

 その後、世界中でバイクの機構が標準化されていくなかで、ハーレーダビッドソンなどが採用していた右スロットルが主流となり、左スロットルが廃れてしまったようです。

■「昭和の光景」の影には左スロットルがあった?

 日本のバイクメーカーは、当初から右スロットルを採用していました。この背景には、戦前の日本で「陸王」の名でハーレーダビッドソンがノックダウン生産されていたことが関係していると考えられます。

過去には出前用のホンダ「スーパーカブ」に左スロットルへの変更キットが供給されていた過去には出前用のホンダ「スーパーカブ」に左スロットルへの変更キットが供給されていた

 一方、国産バイクの金字塔とも言えるホンダ「スーパーカブ」には、左スロットルへと変更する部品が提供されていたようです。これは、出前などで右手側に大量の荷物を持つ人が、片手運転をしやすいようにするためのもの。

 高く積み上げた蕎麦のせいろを持つ出前持ちの姿は、昭和の日本を代表する光景のひとつと言えますが、そうした出前持ちが乗るバイクを見ると、左手のみで運転しているものが少なくないことがわかります。ただ、危険な運転を助長することになりかねないなどの理由から、スーパーカブの左スロットルが一般化することはありませんでした。

 その後、左スロットルを純正採用するバイクはほとんど見られず、ユーザーからのニーズもないため、メーカーも積極的に開発・生産する必然性がなかったというのが実際のところです。

 なお、事故や病気などの影響から右手の動作に支障があるユーザーなどには、現在でも左スロットルのニーズがあり、そうしたユーザーからのニーズに応えるために、いくつかのショップでは既存のバイクのスロットル位置を変更するカスタムがおこなわれています。

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