警視庁の白バイ隊員はなぜフルフェイスではなくジェットヘルメットを採用している?
バイクのニュース / 2023年6月1日 9時0分
もっとも安全性能の高いヘルメットとといえば、フルフェイスヘルメットを思い浮かべる人は多いでしょう。実際、ツーリング時などでも多くのライダーが被っている姿を目にします。しかし警視庁の 白バイ隊員は、フルフェイスヘルメットではなくジェットヘルメットを採用しています。一体なぜなのでしょうか。
■警視庁の白バイ隊員はジェットヘルメット!一体なぜ?
大型バイクを軽快に乗りこなし、交通違反の取り締まりをおこなう白バイ隊員は、数ある警察官の仕事のなかでも特別な存在といえます。ライダーのなかには違反をしてないのに、街中で白バイを見かけただけで、緊張してしまうという人もいるかもしれません。
白バイ隊員は、フルフェイスヘルメットではなくジェットヘルメットを採用している
ときには猛スピードで違反車両を追跡して取り締まりをすることもあり、常に危険ととなり合わせで心身ともに過酷な仕事といえます。そんなハードな業務を日々こなす白バイ隊員は、フルフェイスヘルメットではなくジェットヘルメットを採用しています。
バイク用のヘルメットにはいくつか種類がありますが、頭全体をすっぽりと覆うことができるフルフェイスヘルメットが最も安全性が高いといえます。バイクで走行中に転倒してしまうと、頭だけでなく顔面やあごを強打したり擦ったりするので大変危険です。
そうした不意のアクシデントに遭っても、フルフェイスヘルメットであれば、大切な頭部をしっかりとガードできます。また、飛び石や虫、雨が顔に直接あたるのを防いでくれるので、集中力を欠くことなく運転できるので安心です。
また、防風性や防寒性にも優れているのが特徴。特に高速道路での走行では空気抵抗を減らすことができるので、風切り音を抑える効果があります。
一体なぜ、警視庁の白バイ隊員は安全性能の高いフルフェイスヘルメットではなくジェットヘルメットを採用しているのでしょうか。理由について、警視庁の担当者は次のように話します。
「広範囲な視野の確保やドライバー等とのコミュニケーションの観点などから、警視庁ではジェットヘルメットを採用しています」
広範囲な視野の確保やドライバー等とのコミュニケーションの観点などから、警視庁ではジェットヘルメットを採用しています
白バイ隊員がおこなう業務には、交通事故につながる飲酒運転やスピード違反、信号無視などの悪質な交通違反の取り締まりがあります。常に道路に出て違反車両に対して目を光らせているイメージがありますが、実は白バイ隊員の仕事はそれだけではありません。
マラソンや駅伝でランナーが安全に走れるように先導したり、皇族や外国要人が乗る車列の先導や身辺の警護に従事したりします。そのほか、交通安全指導や交通安全の呼びかけ、オートバイの講習会、白バイ乗車体験イベントなどの活動も重要な任務です。
また、事件が発生した際に緊急警備や犯人の追跡、地震や洪水などで災害が発生した場合に被災地に派遣し活動することもあります。このように白バイ隊員がおこなう業務は多岐にわたり、見た目以上に過酷な仕事だといって良いでしょう。
そうしたなか、違反車両のドライバーと会話したり、ヘルメットに装着したマイクを通じてバイクに装着されたスピーカーで周囲のクルマや歩行者に注意を促したりもします。また、講習会やイベント時に説明やアドバイスをするときに、参加者と言葉をかわすことも少なくありません。
そのようなときに、口元まで覆われているフルフェイスヘルメットだと声が通りにくく不便です。そのため、視野が広くヘルメットを被ったままでもコミュニケーションが取りやすい、ジェットヘルメットが白バイ隊員に採用されているといえるでしょう。
そして構造上、フルフェイスヘルメットは重くなるので身体に負担がかかりがちです。一方のジェットヘルメットは、鼻から下のガードする部分がないため、その分軽くなり、長時間におよぶ勤務でも疲れにくいメリットがあります。
周囲の交通状況を認識しやすい視野の広さと、コミュニケーションの取りやすさ、長時間の装着での快適性などが、白バイ隊員にジェットヘルメットが採用されている理由といえるでしょう。
■ヘルメットをしっかり被って走行することが大事!
このほかにもバイク用のヘルメットにはいくつか種類があり、それぞれ安全性や性能面、価格に違いがあります。
山道や林道を走るときに最適なのがオフロードヘルメット
まず山道や林道を走るときに最適なのがオフロードヘルメットです。バイザーのほか、あごや歯を守るチンガードが装備され呼吸を楽にしてくれるほか、フルフェイスヘルメット同様に安全性が高いのが特徴です。
基本的にシールドがなくゴーグルを装着するのが一般的で、フルフェイスタイプと同様に安全性に優れていますが、同じく価格が高くなりやすいのが欠点といえます。
また、耳より上の頭の部分を中心に防護するハーフヘルメットは、半キャップや半ヘルなどとも呼ばれることがあります。顔全体や耳、後頭部がむき出しになるため、ほかのヘルメットに比べると安全面はどうしても劣ります。
二輪で走るバイクは転倒しやすいうえ、身体を外に出したまま走るため、ケガを負うリスクが高い乗り物といえます。
警視庁の公表する情報によると、2022年度中の都内の二輪車の死亡事故のうち、致命傷となった部位で最も多かったのが「頭部」で約半数を占めるそうです。このことからバイクに乗るときに、いかにヘルメットが重要であるかがわかります。
近くの距離であっても、バイクに乗るとき、あご紐もしっかり締めて必ずヘルメットを被りましょう
たとえ近くの距離であっても、バイクに乗るとき、あご紐もしっかり締めて必ずヘルメットを被るようにしましょう。
※ ※ ※
バイクに乗るときは、道路交通法でヘルメットの着用が義務づけされています。ただし、バイクの排気量や大きさによって、どのヘルメットでなければいけないという決まりはありません。しかし転倒したときの危険性を考慮して、安全面を優先してヘルメットを選んだほうが良いでしょう。
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