1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

the「燃費」どこでも行けそうなホンダ「ADV160」の実走燃費は、どうだ!?

バイクのニュース / 2023年7月15日 11時0分

ホンダ「ADV160」は、2023年型で先代「ADV150」からフルモデルチェンジとなったアドベンチャースタイルの軽二輪スクーターです。その燃費を実走で計測してみました。

■先代モデルから一新、走りがより楽しく、燃費性能は同レベル

 ちょっと気になるあのバイク。その燃費を毎回同じルートで市街地、高速道路、快走路(ツーリングシーン)を走り、その燃費ログをとるthe「燃費」企画です。今回は2023年シーズンに向けてフルモデルチェンジされた、ホンダのスクーター×アドベンチャーバイクという独自キャラで人気のモデル「ADV160」を連れ出しました。

実際の燃費はどうなのか? ホンダ「ADV160」を走らせる筆者(松井勉)実際の燃費はどうなのか? ホンダ「ADV160」を走らせる筆者(松井勉)

 燃費は走り方、その日の気温、季節、気候条件(雨、向かい風、追い風)などによって影響されます。そこで毎回同じルート、同じライダーが交通状況に合わせて走り、その時の燃費ログをとっています。距離はオドメーターに出た数値、燃費データはメーターに表示される平均燃費を記載しています。

 今回のバイク、ホンダ「ADV160」は、前作「ADV150」からのモデルチェンジ版です。「PCX」系にも搭載されるエンジンは、4バルブヘッドを持つ「eSP+(イー・エス・ピー・プラス)」で排気量は150時代から7ccの増量にとどまりますが、吸排気系の最適化やカムチェーンテンショナーの油圧化などを盛り込み、ホンダのお家芸でもあるダイナモスターターによるアイドリングストップ機構などは継続、パフォーマンスもグっと上げているのです。

 これが乗ってびっくり。150と比較すると、160はおろか、180と言われても納得のパワー感、トルク感なのです。

燃費計測は、車載のトリップメーターと平均燃費計を利用燃費計測は、車載のトリップメーターと平均燃費計を利用

 排気量とパワーが上がれば、燃費だって厳しいわけですよね? と思うのが人情。カタログ記載の燃費データ、国土交通省届け出値(60km/h定地燃費値、2名乗車時)とWMTCモード値(クラス2-1、1名乗車時)を前作「ADV150」と並べて見ると次の通り。

「ADV160」
52km/l
42.5km/l

「ADV150」
54.5km/l
44.1km/l

 カタログ燃費では「160」の方がやや劣っています。では実走テストに出かけましょう。

■市街地でのアイドリングストップは、やはり「神」

 まずは市街地です。ルートは都内外苑周辺をスタート。国道246号の青山一丁目交差点から赤坂、永田町を経て皇居方向へ。そのまま皇居外周を左回りに走り、日比谷方向へ。途中、丸の内のオフィス街を回り、晴海通りで銀座、築地、豊洲を直進し、首都高湾岸線沿いの国道356号、東雲付近までを移動します。その距離12.1kmです。

いざ、燃費の実走計測へ。市街地燃費計測では丸の内オフィス街も経由いざ、燃費の実走計測へ。市街地燃費計測では丸の内オフィス街も経由

 走行ルートは片側3車線の道路が多く、交差点には直進、右折信号分離型も多数あり、青信号が続くとスイスイと距離を稼げる反面、赤信号が続くと待ち時間、つまりアイドリング時間が長く、燃費に不利な傾向にあります。交通の流れに合わせるため空いている車線を選択することはありますが、すり抜けはしていません。

 アイドリングストップが装備される「ADV160」は、信号待ちで平均燃費が下振れすることがありません。この機構はすでに20年ほどの歴史があり、発電機を始動用モーターとして活用することで始動時の音も静か、信号待ちで停止したエンジンはアクセルを開けるだけで即座に再始動するため、発進もストレスフリー。何度乗っても惚れ惚れします。

 結果は43.4km/lでした。燃費計測地点からさらに別の場所へと市街地を19.4km移動し、合計31.6kmを走行した平均燃費は44.4km/lでした。136kgの車体は軽快さと安定感があり、スクーターとしての機動力を持ちつつ、走る楽しさも味わえる仕立てだったのです。

■高速度道路をラクに走れるようになった! ケド……

 最高出力12kW/8500rpm、最大トルク15N・m/6500rpmを生み出す小排気量エンジンで、136kgの車体と84kgのライダーを乗せて高速道路を移動します。100km/h巡航時のエンジン回転数をメーターから読みとると、おおよそ8000rpmキープ。アクセル開度にはまだ少し余裕がありますが、120km/h制限の区間でその速度で巡航することは難しそうです。

高速道路では先代よりもゆとりがあり、ラクに100km/h維持ができた高速道路では先代よりもゆとりがあり、ラクに100km/h維持ができた

 それでも先代の150より高速道路ではゆとりが違います。ラクに100km/h維持ができました。それもちょっとした向かい風の中でです。先代は上り坂、向かい風ではアクセル全開でも100km/hキープができず、じれったい思いをしたことがあります。160も上り坂では余裕は少ないですが、それでも100km/h維持ができました。

 高速道路計測は2区間です。アクア連絡道の「木更津金田IC」から東に向かい、館山道のジャンクションから南下、終点「富浦IC」までの53.5kmという南下ルート、そしてツーリング燃費を計測し終えた戻り、館山道「富津中央IC」から「木更津金田IC」まで25kmの北上ルートです。

 往路、南下ルートでは制限速度が80km/hから100、80、70km/hと変化し、館山道に入ると基本的にアップダウンの連続です。後半は片側1車線となり、ペースが落ちて燃費的には楽になりますが、この日は基本的に向かい風でした。

 復路、北上ルートでは制限速度が100km/hから、アクア連絡道の80km/hとなり、南下ルート同様に館山道はアップダウンの連続です。この区間は追い風でした。

 平均燃費計の示した結果は、往路が41.4km/lで復路が41km/lとなっています。途中に見た燃費計の値では、100km/h巡航時が35km/lから36km/lで、80km/h巡航時が43km/lほどでした。8.1リッターの燃料タンクを持つ「ADV160」は、高速道路での安心航続距離は200~250kmと推測します。

■快走路ではスクーターながらスポーティな走りも楽しめる

 快走路での燃費は次の3区間で計測しています。区間1は館山道「富浦IC」出口近くにあるコンビニからスタート。国道127号、県道296号、「安房グリーンライン」を経て房総半島南端エリアまでの21.5km。区間2は南端エリアから国道410号と平行して海岸線のルートを走り、途中で国道410号と合流して北上、県道34号の交差点から「大山千枚田」までの38.4km。区間3は「大山千枚田」から県道34号まで戻り、保田(浦賀水道方向)を目差して途中県道182号「もみじロード」で北上。国道465号、国道127号を経由して館山道「富津中央IC」へと走る25.7kmです。

the「燃費」の計測ルートで立ち寄る千葉県の「大山千枚田」にてthe「燃費」の計測ルートで立ち寄る千葉県の「大山千枚田」にて

 どの区間も平坦路とアップダウン、ワインディングが混在し、房総半島でも人気のツーリングルートです。こうした快走路で「ADV160」はハンドリングの良さと適度なパワーによりツーリングを楽しめます。上り坂でもパワーとトルクがあるエンジンの恩恵で軽快さが途切れず、どの道も楽しく走れました。

 トータル85.7kmの快走路区間、その平均は51.2km/lでした。区間別では区間1が48.9km/l、区間2が52.3km/l、区間3は52.6km/lでした。

■総合燃費は、前作と実質同等

ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

 以前「ADV150」の燃費ログを取材したとき、現在とルートの状況が異なるので参考比較ですが、市街地、高速道路(100km/h制限ではなく80km/h制限でした)、そして快走路の総平均は46.1km/lでした。

 同じルートで100km/h走行を含む176.2kmの総平均は45.2km/lという結果だったワケですが、100km/h巡行をするとてき面に燃費が悪化するのを知っているだけに、「ADV160」は健闘したと言えるでしょう。

■ホンダ「ADV160」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
市街地:43.4km/l
高速道路:41.2km/l
快走路:51.2km/l
平均:45.2km/l

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください