2023年夏発売 ピレリ新型「ディアブロスーパーコルサV4」シリーズをテスト!
バイクのニュース / 2023年8月8日 11時10分
2023年夏より日本でも発売が開始されたピレリの新型ロードタイヤ「ディアブロスーパーコルサV4」シリーズにはどのような特徴があるのでしょうか。海外試乗で体験した模様を紹介します。
■イベントレースやサーキット走行会で、タイヤ選びに迷ったらコレ
筆者(伊丹孝裕)が長年携わっている仕事のひとつに、サーキットにおけるインストラクター業務があります。走行会や試乗会に参加される方々を先導したり、座学講習を受け持ったりするわけですが、その時に「タイヤを換えようと思っているのですが、なにがいいでしょう?」とアドバイスを求められることがしばしば。バイクがなんなのか、どんな走り方なのか、スキルはどれくらいなのか……と、想定すべきことはたくさんあり、本来であれば一概には答えられません。
ピレリ新型タイヤ「DIABLO SUPERCORSA V4 SC」を装着したBMW Motorrad「S 1000 RR」でフィリップアイランドのサーキットを走る筆者(伊丹孝裕)
タイヤそのものの性能もさることながら、ライダーの好みも多種多様ゆえ当然ですが、無条件にオススメできる数少ない例外として、ピレリのハイグリップラジアルがあります。始まりは、2007年に登場した「ディアブロスーパーコルサV1」からでしょう。国産タイヤが圧倒的に優位と思われていた中、イベントレースはもちろん、全日本ロードレースでも着々と好成績を残し、しかも扱いやすいことで瞬く間にシェアを拡大。その後、「ディアブロスーパーコルサV2」、同「V3」へとアップデートされ、今に至ります。
そんなハイパフォーマンスタイヤが、このほど「ディアブロスーパーコルサV4」へと進化。その性能の一端をフィリップアイランド(オーストラリア)で体感できたため、報告しておきましょう。
今回テストすることができたのは、「ディアブロスーパーコルサV4 SC」(以下、V4 SC)と呼ばれるレーススペックタイヤです。イベントレースでの勝利やベストタイム更新用とも言える性能が与えられ、SC1/SC2/SC3という3種類のコンパウンドをフロントとリアそれぞれにラインナップ。グリップを重視するか、耐久性を重視するかなど、用途やシチュエーションに応じて使い分けられるようになっています。
ピレリ新型タイヤ「DIABLO SUPERCORSA V4 SC」は、サーキットでラップタイムを「削る」ために開発された「溝付き」タイヤ
ピットに用意されていたのは、前後に「V4 SC1」を装着した「BMW S 1000 RR」でした。このコンパウンドはグリップ力が最も高く、またきれいに整った路面で性能を発揮するタイプで、SBK(世界スーパーバイク選手権)やMotoGPも開催されるフィリップアイランドとの相性を踏まえて選択されたもの。もちろん、タイヤウォーマーがしっかり巻かれ、エア圧もきちんと管理された状態で走り出すことができました。
ところで、フィリップアイランドがどういうサーキットか。レース中継でご覧になったことがある読者もいらっしゃるでしょうが、今時ちょっと珍しいくらい、どこもかしこもスロットル開け開けの度胸試しコースになっています。SBKマシンならアベレージスピードが180km/hに達し(鈴鹿サーキットにおけるJSBマシンが160km/h台)、メインストレートの最高速は330km/hを超えるため、初見での全開は避けたいレイアウトながら、「S 1000 RR」に元来備わるスタビリティを「V4 SC1」がさらに引き上げ、路面に張りつくように直進していくのです。
オンザレールという表現がまったく大げさではなく、それでいて1コーナーにアプローチするための微妙なライン修正を許容。安定性と自由度が極めて高いレベルで両立していることが分かり、ペースとリズムを掴むのにそれほど時間を要しませんでした。
歴代の「ディアブロスーパーコルサ」シリーズに一貫しているのは、体に伝わってくる確実な接地感です。不特定多数のライダーにピレリを薦めるのもそれが理由で、タイヤが路面をがっちりと掴んでくれている感触が濃厚なため、どんな場面でも安心してスロットルを開けていけるのが良いところ。グリップ力は高くとも、それが分かりづらいタイヤは決して珍しくないのですが、ピレリにはその希薄さがありません。当たりの柔らかさと、かっちりとした剛性感がバランスし、ひたすら走行ラインに集中することができました。
ピレリ新型タイヤ「DIABLO SUPERCORSA V4 SC」はバイクのパフォーマンスを最大限に引き出し、ライディングの質を高めてくれる
フィリップアイランドは、200km/h超で飛び込むコーナーがいくつもあり、一度旋回し始めると車体を寝かしっぱなしにする時間も長め。したがって、タイヤからのインフォメーションが少なければとても走れたものじゃないのですが、それを確実にアシストしてくれるのが「V4 SC1」の安心感です。
コーナーの進入からクリッピングまではフロントタイヤのスタビリティが、そこから立ち上がる時はリアタイヤのトラクションがバイクのパフォーマンスを最大限に引き出し、コーナリングスピードがどんどん上昇。タイムもさることながら、なによりライディングの質を高めてくれるタイヤと言えるでしょう。
さて、ここまではサーキットに特化した内容でした。実際、「V4 SC1」(SC2とSC3も含む)は、そうしたステージでタイムを削るために進化を遂げたわけですが、「V4」にはもうひとつのグレードがあります。それが「ディアブロスーパーコルサV4 SP」で、こちらは公道走行も想定し、コンパウンドの配合やそのレイアウト、耐摩耗性を最適化。温度に対する依存度を低くし、走るステージやライダーのスキルに幅を持たせているのが特徴です。
レース参戦やタイムアップを狙うなら「V4 SC1/2/3」シリーズ、公道とサーキットのスポーツ走行の両方を楽しむなら「V4 SP」という棲み分けがなされ、どちらを選択するかはユーザー次第。いずれの場合も高い接地感は保障されていますから、自信を持ってオススメすることができます。
トレッドデザインやプロファイルは共通の「SC」(写真左)と「SP」(写真右)だが、コンパウンドレイアウトはまったくの別物
また、このタイヤは排気量1000ccや600ccクラスのスーパースポーツに限ったものではありません。リアタイヤには、140/70ZR17、150/60ZR17といったサイズもラインナップし、250ccや400ccクラスのスポーツバイクにも対応。そのハンドリングを幅広いモデルで体感できるところも魅力です。
ハイグリップラジアルによって、バイクがいかに変わるのか。すでにそれをよく知るライダーも、初めてのライダーも、ぜひこの新しい「ディアブロスーパーコルサV4」をお試しください。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
雨の日は2メートル早くブレーキをかけよう!
バイクのニュース / 2024年4月25日 11時10分
-
【インタビュー】2024年MotoE電動レーサー、ドゥカティ「V21L」はいかに進化したのか
バイクのニュース / 2024年4月23日 13時10分
-
グリップを極めるならこれ! タイヤ選びのポイント解説~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2024年4月20日 6時30分
-
【インタビュー】元SBKライダーのチャズ・デイビス選手が解説する、電動バイクレースMotoEの戦い方
バイクのニュース / 2024年4月18日 12時10分
-
サスティナブル素材50%超の2024年MotoEタイヤ ミシュランのピエロ・タラマッソさんに聞く独特なデザインの意味とは
バイクのニュース / 2024年4月17日 15時10分
ランキング
-
1やよい軒で「わかってる」人が頼んでるメニュー。「神」「最強」の声も...。《編集部レビュー》
東京バーゲンマニア / 2024年5月6日 17時0分
-
2「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
3【疑問】「白内障」「緑内障」は何が違うの? 原因&治療法を眼科医に聞いてみた
オトナンサー / 2024年5月6日 20時10分
-
4死者をデジタルで復活させる「故人AI」が海外で急速に普及 「悲しみに暮れる人の社会復帰を妨げる」という懸念も
NEWSポストセブン / 2024年5月7日 7時15分
-
5親を扶養に入れるメリット・デメリットを確認してみよう
マイナビニュース / 2024年5月7日 11時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください