何を基準に選べば良いの？ メンテに欠かせないチェーンルーブの選び方とは

チェーンのメンテナンスは、バイクに乗る上で欠かせないものです。その際に使用するのがチェーンルーブで、チェーンの動きをスムーズにしたり、サビを防止したりする働きがあります。そんなチェーンルーブは専用品として販売されていますが、一般的な潤滑剤との違いはどこにあるのでしょうか？　チェーンルーブについて、解説しましょう。

■バイクのチェーンメンテに欠かせないのがチェーンルーブ

　バイクに乗る上で、チェーンのメンテナンスは欠かせないもので、その際に使用するのがチェーンルーブ。チェーンの動きをスムーズにしたり、サビを防止したりする働きがあり、専用品として販売されていますが、一般的な潤滑剤との違いはどこにあるのでしょうか。

バイクに乗る上で、チェーンのメンテナンスは欠かせないもの。

　ベルトドライブを採用するバイクもありますが、後輪への駆動力伝達にはチェーンが使われている事が一般的です。チェーンは金属のコマをつなげたものであるため、連結部分を潤滑させる必要があります。

　シールチェーンは内部にグリースが封入されているので潤滑不要論もありますが、シール部分自体を潤滑させる必要があるという意見も度々聞かれます。また、メッキチェーン以外では金属がむき出しなので、サビを防止するというのもチェーンルーブの役割のひとつ。定期的に塗ってやることでスムーズに動き、表面をきれいな状態に保つ事が可能です。

　塗る頻度は使い方や走る場所、チェーンの種類によりますが、5000km前後というのが一般的なの基準。一度しっかりと塗っておくと、次の塗布時に古いチェーンルーブや汚れが落としやすくなるため、メンテが楽になるというのも定期的な使用という点でのメリットです。

■チェーンルーブの種類や塗り方とは

　チェーンルーブには、大きく分けて3つのタイプがあります。

　まずは大きくウエットとドライに分かれ、ウエットは一般的な浸透潤滑剤に近く、塗りやすい上にチェーンの連結部分にも入りやすいのが特徴。ちなみに一般的な潤滑剤とチェーンルーブの違いはシール部分へのダメージが少なかったり、飛び散りにくいなどという点にあります。

　一方のドライは、サラサラに乾燥するようなイメージですが、実際は硬く固まるタイプが多く、ガッチリと守ってくれるのが特徴。遠心力や雨で飛びにくく、長期間性能を発揮してくれるのですが、作業性については硬いため、ウエットに比べると落ちてしまいます。

　そしてその中間にあるのがセミドライやセミウエットで、それぞれドライ寄り、ウエット寄りの特性があります。

　この3種類はどれがいい悪いではなく、メンテナンスの頻度や作業性などに合わせて好みで選んで問題ありません。

チェーンルーブを塗る際には、まず古いチェーンルーブや汚れをしっかりと落とすことが大切。

　チェーンルーブを塗る際には、まず古いチェーンルーブや汚れをしっかりと落とすことが大切です。古いものをそのままにして新たに上塗りしても、効果はしっかりと発揮されません。

　チェーンルーブの効果をしっかりと発揮させるためには下準備が重要ということになりますが、そのために使用するのがチェーンクリーナーで、チェーンルーブとセットで用意しておくと良いでしょう。

　チェーンクリーナーはスプレータイプが多く、パーツクリーナーと似ていますが、こちらもシールチェーンのシール部分へのダメージが少なく、チェーン特有の頑固な汚れなどを強力に落とすことが可能。さらにブラシやウエスを併用すると、効率よく汚れを落とす事ができます。

　そして最後にチェーンルーブを塗って仕上げますが、塗る量は最小限にするのがポイント。たくさん塗って保護したくなるかもしれませんが、チェーンは物凄い勢いで回転するものなので、余分なチェーンルーブは飛び散ってしまいます。

　路面へと飛んでいけばいいのですが、フェンダー内部やサスペンションアームなどにかかると汚れるだけでなく、落とすのも大変。保護力という点では少なめにして、クリーニングする頻度を上げる方が有効です。

　チェーンルーブは今回紹介した性能や効果を前提としつつ、メーカーやブランドによってさまざまな成分を配合して独自性を出しているので、ぜひ自分好みのものを見つけてみてください。