やらないと、どんな問題が起こる？ 忘れてしまいがちなバイクのオイル交換

バイクを維持する上で、「オイル交換」は欠かせません。では、もしもオイル交換をしなかった場合、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。

■しないとどうなる？ バイクのオイル交換

　バイクの調子を保つために欠かせないメンテナンスのひとつが「オイル交換」。

　やらないといけないことは分かっているけれど、なぜやらないといけないのかは、知らないという人は多いのではないでしょうか。「時期だから」や「したほうがよいと言われた」などの理由で、よく分からないまま交換している人も多いと思います。

　そんな、オイル交換の重要性について、解説します。

バイクの調子を保つために欠かせないメンテナンスのひとつが「オイル交換」

　エンジンオイルには、おおまかに5つの役割があると言われています。まずひとつ目の役割は、エンジン内部のパーツを「潤滑」させるというもの。エンジンは複数の金属が組み合わさってできており、金属同士が高速で擦れ合うパーツもあるので、そうしたパーツをできるだけ滑らかに動かして、摩耗することのないよう潤滑させる役割を持っています。

　また、高速で動く金属のパーツは動いているうちに熱をもちます。エンジンオイルは摩擦によって発生した熱で何らかの異常が起こらないよう、エンジン内部を「冷却」する役割も担っています。

　ただし潤滑や冷却をおこなっていても、擦れ合いながら高速で動くパーツは徐々に摩耗し、その際に細かな金属の粉が発生します。この粉がエンジン内部に溜まって悪さをしないよう、エンジン内部を循環して「洗浄」するのも、エンジンオイルの役割。

　その他にも、エンジン内部を錆させない「防錆」効果や、エンジンの性能をアップさせるために「密封」させる役割もあり、エンジンオイルはエンジンを動かすためには絶対になくてはならないものであることが分かります。

劣化したエンジンオイルを使用し続けると、エンジンに負担がかかりエンジン本来の性能を発揮できなくなる

　こういった過酷な環境下で働いているエンジンオイルは、エンジンの熱による劣化や洗浄効果による汚れ、時間が経過したことによる酸化などにより、使用しているうちに本来の役割が十分に発揮できなくなってしまいます。

　劣化したエンジンオイルを使用し続けると、エンジンに負担がかかりエンジン本来の性能を発揮できなくなることに。オイル交換したばかりの時に比べて、エンジンのパワーが落ちた、エンジンの音が大きくなったと感じた経験のある人もいるのではないでしょうか。

　しかしそれでもエンジンオイルを交換せずにバイクに乗っていると、エンジン内部の部品が破損したり、熱を持ちすぎてしまうなどの異常が起こり、エンジンの故障に繋がってしまう可能性大。こうなってしまうと、多額の修理費や修理日数が必要となり、大きな損失へと繋がってしまうことは想像に難くありません。

　バイクを快適かつ安全に乗り続けるためには、エンジンオイルの定期的な交換は必須と言えるでしょう。

■オイル交換はいつするのがベスト？オイル交換のポイント

　基本的に、オイル交換の交換頻度は3000㎞から5000kmと言われています。

　また、あまりバイクを使用せず走行距離が伸びない場合は5000kmに達していなくとも、半年から1年に1回は交換するのがベスト。車種や排気量によって距離などが異なる場合もあるので、バイクの取扱説明書を確認するとよいでしょう。

オイルエレメントの交換はエンジンオイル交換の2回に1回交換することが推奨されている

　なお、エンジンオイルの洗浄効果によって集められたエンジン内部の金属粉などは、「オイルエレメント」というゴミを取り除く、ろ紙のようなパーツに集められています。

　このオイルエレメントが目詰まりしてしまうと、エンジンオイルがエンジン内をうまく循環できなくなる恐れもあるため、オイルエレメントの交換はエンジンオイル交換の2回に1回交換することが推奨されています。

　とはいえ、オイルを交換するだけで問題が起こらない訳ではなく、エンジン内のオイル量を適切に保つことも重要。オイル量が多すぎても少なすぎてもエンジンの負担となるので、必ずオイル点検窓を覗いて「LOWER（下限）」と「UPPER（上限）」の間になるように、油量を調整しましょう。