身近な存在の「ママチャリ」は、島国で独自の進化を遂げた在来種だった
バイクのニュース / 2024年4月16日 11時10分
さまざまなシーンで活躍する多彩な種類の自転車は、どのような過程で現在の姿に進化してきたのでしょうか。日本で生まれ、日本人とは切っても切り離せない「ママチャリ」について紹介します。
■これまでもこれからも、「ママチャリ」は日本人と共に
手で運ぶのは大変な荷物を運ぶ、高速で長距離を移動する、荒れた野山を猛スピードで駆け巡る、限られたエリアでさまざまな障害物を利用してパフォーマンスを披露する……。さまざまな方面に特化した自転車の世界ですが、なかでも、いわゆる「軽快車」や「シティサイクル」とも言われる「ママチャリ」は、あまり知られていないかもしれませんが、日本独自に進化してきた自転車です。
「ママチャリ」は、日本で生まれて進化した在来種だった
1870年に竹内寅次郎が外国の車両を参考に「自転車」と名付けて発売したところから日本に自転車という言葉が生まれ、明治から昭和初期にかけて、荷物の運搬や通勤・通学など、主な交通手段として人々の生活に急速に浸透するようになりました。
ただ、「実用車」などと呼ばれる当時の自転車はかなり重く、サドルの位置も高かったので、どちらかと言うと男性用の乗りものとして扱われていました。
それから時を経て、1950年代に入るとエンジン付きバイクの普及などもあって、配達などで使われていた実用自転車のシェアが減ってしまいます。このタイミングで、自転車は日本独自の進化を遂げることになります。
自転車業界では、これまで自転車に乗ってこなかった女性用の自転車の開発に着手します。ゴツイ実用自転車のイメージを払拭するために、フレームは女性でも乗りやすいようU字型に変更してサドルの位置を下げ、買い物に便利な前かごを装備し、夜道でも安心できるようにライトを装備したりと、さまざまな改良を加えます。これが大いに受け入れられ、当時は嫁入り道具として自転車が選ばれるほどの大ヒットになったそうです。
ちなみに、厳密に言うと軽快車やシティサイクルは軽量化と利便性を増した実用車という位置づけになると思うのですが、このあたりから「母親(ママ)が乗る自転車(チャリンコ)」と言う意味で「ママチャリ」という俗称が生まれ、前かごが付いている自転車は総じてママチャリと呼ばれるようになっていったようです。
それ以降もさまざまな改良が加えられ、比較的安価なパーツで構成されたママチャリは誰もが扱える身近な乗りものとして、ご存知の通り日本人の生活には欠かせない存在として定着しました。
その一方で、安価な部品で大量生産・大量消費されたことで自転車自体の価値を相対的に下げてしまったり、国内需要だけで各メーカーが十分な利益を得ることができたため、海外進出などを行なわずガラパゴス的な発展を遂げ、日本国内の自転車メーカーの発展を阻害してしまったという負の側面も持っています。
良くも悪くも、日本の自転車の歴史を語る際には外すことのできない「ママチャリ」ですが、最近では世界的な物価の高騰に合わせて価格も高くなっており、ひと昔前のような「使い捨て」として扱えるような乗りものではなくなってきました。
これだけ全国的に定着しているということは、修理用のパーツや技術もしっかり確立しているとも言えるので、メンテナンスしながら長く乗り続けることが可能です。
もれからも日常に欠かせない存在として、愛着を持って乗り続けたいものですです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
自転車とクルマ、先に発明されたのはどっち?
バイクのニュース / 2024年4月30日 12時10分
-
これは職業病?元ガールズケイリン女王が「ママチャリに乗って気になること」
日刊SPA! / 2024年4月27日 8時29分
-
子育て世代待望! 「ギュット・アニーズ・DX・押し歩き」の押し歩き機能とずり下がり抑制機能を試す
マイナビニュース / 2024年4月25日 19時24分
-
モーターの力で押し歩きもラクラク!! 重たい電動アシスト自転車に子供+荷物上乗せの取り回し負担を解消か
バイクのニュース / 2024年4月20日 12時10分
-
スポーティだけど“eバイク”じゃない!? ヤマハの新型『PAS CRAIG』に乗ってわかったブレない"ちょうど良さ"
レスポンス / 2024年4月20日 12時0分
ランキング
-
1制服と体操服でやりがちなNG洗濯! 体操服を洗濯する時、ファスナーは閉める? 開ける?
オールアバウト / 2024年5月2日 21時15分
-
2映画「もののけ姫」の映えスポットで撮影した女性の投稿に大反響! 「言われなくても生きそう」「無敵感がすごい」
よろず~ニュース / 2024年5月2日 15時0分
-
3トイレ掃除を頼むと涙目…新人バイトはオーナー親族のお嬢様。いきなり辞めたが、意外な展開に
女子SPA! / 2024年5月2日 8時47分
-
4「おじさんドラマ」すっかり定着の底知れぬ魅力 ベテラン俳優が好演、世間の"おじさん観"も変化?
東洋経済オンライン / 2024年5月2日 13時20分
-
5「いきなり退職代行から連絡が…」「注意すると泣く」20代社員はなぜ“打たれ弱い”のか
日刊SPA! / 2024年5月2日 8時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください