1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

「ウルトラマンアーク」辻本貴則監督、初回3話で狙った“パターン崩し” 継田淳と挑む新機軸満載のウルトラマン

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年7月20日 10時0分

 そのユウマを演じるのが、デビューして一年、主演はもちろん初となる新人の戸塚勇輝であるが、演出する立場として「キャストに役柄を説明する際に“普通の人です”とは言いがたい(笑)。特に戸塚くんは、ほぼ役者一発目でいきなり主役に抜てきされたわけですが、こちらが目指しているのは、何の変哲もない普通の青年なので、そこはけっこう考えながら演出していました」と苦労を語る。

 特撮ヒーロー作品全般に言えることだが、大半の作品の主役には、これからの活躍が期待される新人俳優が起用されるケースが多く、キャリアの少ない俳優にとっては、分かりやすい役柄のほうが演じやすいし、演出もしやすい。「監督業をするにおいて、役者の演出もいろいろなパターンがあると思うのですが、シリーズとして続いている以上、どうしても今までのメイン監督としての役割を求められることがあります」と語るが、本作ではあくまでごく普通の青年にこだわった。

 また、辻本監督は人物描写においては以下のように持論を展開する。「『こういうキャラクターだからこう演じてくれ』と言い切った方が答えは明確かもしれないけど、それを言った時点で、たくさんの可能性が失われる。自分が予想もしてない方向性の芝居があるかもしれないのに、いつもの自分の感覚を役者に押し付けて、いつも通りの型に収まったキャラにしてしまうのはもったいないことだなと。ただ今回は新人なので、とにかく自分の得意な芝居をやってもらって、それを僕が整える程度のことにしました。悩まず、芝居をのびのびやってもらうことが一番重要なので。そもそも自分は『この子はアウトドアタイプ』とか『この子はインドアタイプ』とか判を押したようなステレオタイプのキャラクターを作るのはあまり好きではありません。それこそ、第1~3話で、キャラクター性が分かってしまうと、残りの20数話は、予想を確認するだけの作業になってしまうじゃないですか。だから作品全体を通して、そこで初めてどういう人物か分かる作り方を目指しました」

ウルトラマンアークのデザインは「できる限りシンプルに」

 新ヒーロー・ウルトラマンアークについては、アシンメトリーのかなり攻めたデザインだったウルトラマンブレーザーと比べると、実にシンプルである。首元に黒が入る他は、赤と銀がメインと、どこか昭和のウルトラマンのテイストを漂わせている。

 「自分は昭和のウルトラマンシリーズが好きだから、できる限りシンプルにしたいと思っていて、デザイナーの後藤正行さんにも“後藤さんが描くシンプルなウルトラマンが見たいです”とお願いしました」。実は、初稿では肩にプロテクターが付いていたが、オミットされ、よりシンプルな方向性でまとめられた。そんな中、目を引くのが、頭部の穴である。「後藤さんの発想で描かれたものですね。最初は驚きましたが、これは非常に斬新だなと。むしろ、商品化の際にちゃんと再現されるのかな? と心配になりましたが、『大丈夫です』とのことで、自分としても大歓迎でした」。また目に関しては、ウルトラセブンを思わせる黄色の目をしたウルトラヒーローも久々となる。「これに関しては一度、ウルトラマンタイプの目も描いてもらったんです。だけど、やっぱりこっちの方が良かった。ですから、このセブンタイプの目に関しても後藤さん発信になります」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください