「親友の“裏アカ”投稿に傷つけられている」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第25回
ココロニプロロ / 2015年7月17日 18時5分
みどりさんのお友達にとって、インターネットはそうした「使い分けている人格」を統合して、誰のことも気にせず、はっきりものを言える場所になっているのでしょう。私は、みどりさんのお友達とほぼ同じ状況を体験したことがあります。それはFacebookです。
私は最初、Facebookを「知り合いは承認しない」「友達限定公開」という、かなり珍しい自分内ルールで始めました。というのも、以前一度だけmixiに登録したとき、友人の友人とか、断るのもアレだけど知らない人だし興味ないし……という人から友達申請が来るたびに悩むのが面倒だった、という経験があったからです。また、例えば気の進まない飲み会を「忙しいから」と断ったのをすっかり忘れてひまそうな近況を書いてしまったりすると、気まずいことこの上ありません。
名前を出さず、「こういうタイプの人が苦手」と書いただけで「あれってもしかして私のこと? 不愉快にしたならごめん」と言われることもあり(もちろん違います)、こちらは「そんなあてこすりを書くような人間だと思われているのか」と余計なダメージを被ったりしたこともあります。メールなどで直接やりとりをしている友人、ちょくちょく会う相手とは、SNSでつながることにメリットよりデメリットのほうを強く感じます。
その結果、知り合いがほとんどいないFacebookで、私はなんのしがらみもなく言いたいことを毎日、「そのペースで書けるんだったら、一ヶ月で一冊ぐらい本出せるんじゃないの?」ぐらいの勢いで書きまくりました。だんだん、ライターとしての私個人よりも、その書いている内容に興味を持ってくれる人も増え、私のpostはさらに加速。もう「いいね!」を押してもらうためなら何でもするぐらいの勢いです。多分、みどりさんのお友達は今、この段階にいるのではないでしょうか。
その後、私のFacebook熱はどうなったかというと、Facebookを通じて知り合う人なども増え、また本を出版したりと本業での文章を読まれる機会も増え、「普段の自分の人格」「ライターとしての自分の人格」「Facebook上の人格」を使い分けることが難しくなり、今は落ち着いています。という言い方をすると、なんだか高尚な感じがしますが、ものすごく簡単に言うと「実像を知られているから、盛れなくなった」ということです。「本業=Facebook」の人ではいられなくなった、というか……。
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