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「自分の不幸せを家族のせいにしてしまう私」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第29回

ココロニプロロ / 2015年11月25日 11時30分

ぽぽさん、比べる自分を許してください。打算的で身勝手な自分を許してください。社会的な倫理にも、自分の中の倫理にも背くことでも、自分の感情は今そこにあるものとして認めてください。自分が一番つらくて、かわいそうなのだと思ってしまう、その気持ちを認めてください。もっとつらい人がいるのにそう思う資格がないとか、家族に申し訳ないとか、そういうことを全部抜きにして、ただ自分が思うことをそのまま感じてください。

ぽぽさんが何を感じ、何を思おうと、お兄様はお兄様の生命の限り、お兄様の人生を生きます。ぽぽさんの感情は、誰の感情とも関係なく、自分のものです。自分のものでしかないから、人は孤独です。けど、誰も、ぽぽさんの感情を、ないことにはできません。ぽぽさん自身にも、です。

毎日続いてゆくこと、いつ状況が変わるかわからないことに対し、どういう気持ちでいたらいいのかを考えるのは、難しいです。でも、自分はどう思っているのか、自分の気持ちを否定せずに見てください。社会的なぽぽさんの顔を取り払った、個人としてのぽぽさんの顔を、自分で見てみてください。それがそこにあるものだ、ということを、誰も認めてくれないのなら、自分が認めて、褒めて慰めてやるしかありません。

そして何かをしてください。馬鹿みたいだと思われるかもしれませんが、部屋に閉じこもって泣いてもいいし、自宅でそうするのがはばかられるならカラオケに一人で行って叫んだっていいです。「そんなことをしても、何も変わらない」と思うことを、ひとつずつやってみてください。

誰もが、役に立つことをしたいし、効果のあることをしたがります。けれど、心のためにすることというのは、「これをすればこうなる」というのが、よくわからなかったりします。なんの役にも立たなそうなこと、無駄なことが、気持ちを変えてくれることがあります。

自分の心に対しても、人の心に対しても、できることは「行動」しかないのです。それをする元気すらないときは、私にもよくありますが、もし少しでも身体を動かす気力があったら、何か、思いついたこと、これまで自分とは関係ないと思ってきたこと、無駄だと思ってきたようなことを、やってみてください。

みなさまの愚痴を、雨宮まみが「穴の底」にてお待ちしております。長文大歓迎!
恋愛相手の愚痴も、職場環境にまつわる愚痴も、誰にも言えない愚痴も、「スポーツジムのおじさんの汗がキモイ…」みたいなしょうもない愚痴も、なんでもござれ。大なり小なり吐き出して気を楽にしませんか?
「どうしたらいいでしょう?」のような相談は受け付けておりません。ごめんなさい。

雨宮まみ(あまみやまみ) ライター。アダルト雑誌の編集を経て、フリーライターに。女性の自意識との葛藤や生きづらさなどについて幅広く執筆。女性性とうまくつきあえなかった頃を描いた自伝的エッセイ女子をこじらせて (幻冬舎文庫)出版後、「こじらせ女子」がブームとなる。他の著書に対談集『だって、女子だもん!!』(ポット出版)、『ずっと独身でいるつもり?』(KKベストセラーズ)、『女の子よ銃を取れ』(平凡社)、『タカラヅカ・ハンドブック』(新潮社)など。

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