BMW ActiveHybrid 7(アクディブハイブリッド7)試乗評価 待望のマイナーチェンジ! 走りと低燃費性能は進化したのか?【レビュー:BMW】

CORISM / 2013年2月13日 7時7分

BMW ActiveHybrid 7(アクディブハイブリッド7)

やっと? 待望のマイナーチェンジしたBMW7シリーズ。大幅に燃費が向上したハイブリッドモデルの評価とは?

 BMWのフラッグシップモデルの7シリーズがマイナー・チェンジし、「やっと」後期型となった。「やっと」と言うのも現行モデル(F01,F02)がデビューしてから3年以上が経過したが、この間、BMWはパワートレーンの変更が進み、1シリーズでさえも8速ATが採用されたのに、7シリーズは一部のモデルを除き6速ATのままであった。このマイナー・チェンジで「やっと」全モデルに8速ATが標準となった。

 またハイブリッド・モデルは待望の右ハンドルモデルの追加と、4,4リッターV型8気筒エンジンから3リッター直列6気筒ツイン・ターボ・エンジンに変更となり、パワーはダウンしたが燃料消費率(JC08モード)は14.2km/Lに改善され、クラスでトップとなった低燃費性能は評価したい。

 試乗車は、エンジンが変更になったアクティブ・ハイブリッド7である。試乗の少し前にアクティブ・ハイブリッド7L、ロング・ホイールベース・モデルの後席に、成田空港から都内まで乗せて頂く機会があった。エンターテインメント・システム、リヤ・コンフォート・シート(マッサージ機能付き)のフル装備のモデル。

 一言で感想を言えば「快適な空間」で、移動におけるストレスは最小限で、東北新幹線のグラン・クラスより快適であった。全体的な高級感はフラッグシップ・モデルらしく更に高くなったが、一つだけ気になったところがある。それは、フロントシート背部に設置されているモニターの枠がコストダウンの為か簡素となってしまい、密かに憧れていただけに残念な改良であった。

 フェイスまわりでは、LEDヘッドライトが採用されたフロント・マスクはキリとしたシャープなイメージに変わった。あちらこちらに「ActiveHybrid 7」のロゴが配置、刻まれ、ハイブリッド車である事の主張がされている。2トンを越える大きく重いボディは、動き始めこそ、その重さを感じるが、更にアクセルを強く踏めばモーターがアシストを開始し、システム・トータルでは354psの最高出力と、51kgmの最大トルクを発揮するため速いクルマである。しかし、V8エンジンを搭載した前モデルの超過激な加速と比較すると物足りないのも事実である。

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エンジンの存在感を主張するアクディブハイブリッド7

 3リッター・ツイン・ターボ・エンジンは、単体で最高出力320ps、最大トルク45,9kgmを発生し740iとスペックは同じである。電気モーターの単体出力は54psで、EV走行も可能であるが、エンジンのアシストによるブースト機能が大きな役割である。

 また、アクセル・ペダルから足を離すと、トランスミッションがクラッチを切断しエンジンを停止させ、空走により燃費を改善させる。通常は80km/h以下でエンジンは停止するが「ECO PRO」モードを選択すれば80km/hの高速走行時にもエンジンは停止するようになる。燃料消費を抑える「ECO PRO」モードは通常走行であれば周囲の流れに遅れる事もなく充分であり積極的に使いたいモードである。だが、イグニッションををオフにする度に標準モードに戻ってしまい使い勝手が悪い。このあたりは、改善が必要に感じる。

 試乗中、エンジンは頻回に停止するが国産のハイブリッド・モデルよりはエンジンが動いている事が多い。エンジンの再始動時の音と振動はアクティブ・ハイブリッド3や5モデルより確実に少ないがレクサスLSに比較すると始動時した時にエンジンの存在感がある。

どんなスピードでもワクワクする良質な乗り心地

 乗り心地は高級サルーンに相応しく滑らかで、どのスピードレンジでも良質でありながら、ドライバーをワクワクさせる操縦性を持っている。新たに採用された電動パワーステアリングは、軽く正確だ。欲を言えばインテグレイテッド・アクティブ・ステアリング(前後輪統合制御ステアリング・システム)が装備されていれば、更にスポーツ・カー顔負けの性能を手に入れる事が出来るのだが、アクティブ・ハイブリッド7は残念な事にオプションでも選べない。また他のモデルで採用された情報量が多く見易いマルチ・ディスプレイ・メーター・パネルも採用されていない。

 マイナー・チェンジによりコンサバティブなスタイルから再びアグレッシブ路線に戻ってきた7シリーズ。新しいアクティブ・ハイブリッド7は、エンジンをダウン・サイジングし価格を下げ、燃費を改善したが動力性能は旧モデルより低下。750iに比較して装備も一部簡素化した事もあり、ハンドルを握る個人オーナーには物足りなく写るだろう。次期モデルのスタイルが煮詰まったとの噂も聞くが、まだ数年間は現行モデルで戦う必要がある。メルセデス・ベンツSクラスのニューモデルが年内導入予定で、これからが7シリーズの正念場である。

BMWアクディブハイブリッド7価格、スペック

代表グレード BMW ActiveHybrid 7 スペック
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 5,080×1,900×1,475mm
ホイールベース[mm] 3,070mm
トレッド前/後[mm] 1,620/1,630
車両重量[kg] 2,080kg
総排気量[cc] 2,979cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 235〔320〕/5,800rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 450〔45.9〕/1,300-4,500rpm
システム合計 出力&トルク 出力:260kW〔354ps〕トルク:500Nm〔51.0kgm〕
ミッション 8速AT
タイヤサイズ (フロント)245/45R19(リヤ)275/40R19
JC08モード燃費 14.2km/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 11,980,000円
レポート 丸山和敏
写真 編集部

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