寒暖差による体調不良に気をつけて! 季節の変わり目を元気に過ごすために 知っておきたい薬膳の食材8選
CREA WEB / 2024年2月23日 7時0分
暦の上の立春が過ぎると、少しずつ暖かさを感じる日も多くなります。春の日差しが待ち遠しい時期でもありますが、春に向かうこれからの時期は、気温の寒暖差が激しいことから、体調不良を起こしやすいという方も少なくありません。
冬から春の季節の変わり目、こんな症状に悩まされていませんか?
・疲れやすい
・イライラする
・気分が落ち込む
・耳鳴り
・片頭痛
・めまい
・不眠
寒暖差により体が疲れ、自律神経が乱れることで、これらの不調を感じやすいのが季節の変わり目の特徴です。
今回は、寒暖差のある季節の変わり目を、元気に過ごすためのおすすめ食材についてご紹介します。薬膳とは言っても、どれも身近な食材ばかりなので、ぜひお気軽にご活用ください。
◆ニラ
まだまだ寒い春の始まりには、ニラがおすすめです。体を内側から温めてくれる効果があるので、寒い中長時間外にいた時や、足腰の冷えが気になるなどの症状改善に期待ができます。
スープや炒め物の具材として使ったり、醤油などの調味料に漬け込んだニラダレを活用してもいいでしょう。加熱をしすぎると、食感が損なわれてしまうので、火を通しすぎないように気をつけてください。
ニラは、体を温める効果が高いので、赤い吹き出物がある方は多食に注意が必要です。
◆春菊
独特な香りの春菊は、自律神経を整え、リラックスさせる効果があります。気持ちの巡りを改善することができるので、寒暖差による自律神経の乱れや、気持ちの乱れを整えてくれます。
ニラと同様、加熱しすぎてしまうと、食感や香りが悪くなってしまうので、さっと火を通す程度で調理しましょう。おひたしやサラダなど、春菊の香りを感じることができるシンプルな味付けがおすすめです。
◆セロリ
香りのいい食材は、気持ちの巡りを整えてくれる効果が高いのが特徴です。香味野菜の中で春菊に加えて季節の変わり目におすすめの食材がセロリです。
寒暖差により自律神経が乱れると、イライラした気分になることも多いものです。セロリには、気持ちの高ぶりを鎮めてくれる効果があります。
生のままのセロリを塩レモンでさっと味付けしたり、刻んで炒め物に使っても美味しいですよ。葉っぱも刻むことで食べやすくなります。スープやチャーハン、ピラフなどに活用してみましょう。
◆みかん
寒暖差が気になるシーズンにおすすめなフルーツは、柑橘類です。その中でもみかんは、胃腸の働きを高めてくれる効果も高い食材です。疲労感を感じたり、気分が落ち込んだ時に活用してみましょう。
みかんの皮を乾燥させた「陳皮」をお湯に入れて、陳皮のお茶を楽しんでもいいですね。
◆鶏肉&鶏卵
家の中でゆったり過ごす冬の養生シーズンから、外に出て太陽の光を浴び、体を動かすことが養生につながる季節が春です。活動的になり、体の代謝も上がるのでエネルギーを補充できるたんぱく質の摂取も大事になります。
寒暖差による疲れが気になる方は、鶏肉をあっさりした味付けで料理してみましょう。蒸し鶏や、スープなどの油を使わない調理法がおすすめです。
胃腸の疲れがあって、肉類を食べる元気がない方は、鶏卵を活用するのもいいですね。活動的になる春のエネルギーチャージに、卵スープや、ゆで卵を毎日少しずつ取り入れてみましょう。
◆なつめ
寒暖差による体の疲れを手軽に解消できるおすすめの食材が、なつめです。疲れは、しっかり寝ることで回復できますが、自律神経が乱れることでよく眠れない場合も。なつめは疲れを改善するだけでなく、しっかり眠れる体に導くこともできる食材です。
皮ごとドライのままで食べてもいいですし、ちぎってコップに入れて湯を注ぎ、なつめ茶として楽しんでもいいですね。
◆きのこ
きのこ類は、体の疲れを回復させエネルギーを補充してくれる食材です。消化に負担がかかりにくいので、寒暖差による体の疲れをすでに感じている時におすすめの食材です。
花粉症の症状がある方は、日々の食事に取り入れて免疫力アップを心がけてもいいでしょう。きのこの中でも特に舞茸は、体の機能を底上げしてくれる効果が高いのが特徴です。
◆春キャベツ
きのこと同じく、エネルギー不足からくる体の疲れを解消してくれるのが、キャベツです。春キャベツは柔らかく甘みがあるので、胃腸に負担もかかりにくい食材です。
また、春は冬に溜め込んだ老廃物を排出するシーズンでもあります。冬は寒い季節を乗り越えるために、濃いめの味付けになることが多いですが、だんだんと温かくなる春に向かう時期は、あっさり目の味付けを心がけましょう。
デトックス効果のあるキャベツは、不要な老廃物を排出して軽やかに春を迎えられる体に変えてくれる、優秀食材です。
季節の食材で体を整えて春を迎えよう
これからの時期は、花粉症による鼻水や目の痒みも気になる季節。病院に行くほどではないけれど、なんとなく不調で元気が出ない……。寒暖差による体調不良は、我慢すれば耐えられると思ったり、市販薬を飲んだりすればやり過ごせるから大丈夫だと考えてしまいがちです。
「なんとなくの不調」は体からのサインです。無理をしていないか、しっかり寝ているか、栄養を取れているか、忙しい毎日の中ですが、少し立ち止まって自分の体の様子を振り返ってみてください。
体からのサインに蓋をして、それでもまだ頑張ることをやめられない。そんな時には「体調に合わせて食材を選んで食べてみる」まずはその一歩をしてみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介した食材は、どれも手に入りやすい身近なものばかりです。温かい春の陽気を気持ちよく感じられる、寒暖差に強い体になるために、ぜひご活用ください。
さとうあい
宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は、企業様向けフードコンサルティング事業を行う、motto cooking tableを主宰する傍ら、レシピライターとしても活動中。また、国際中医薬膳師として、アレルギー体質などの不調に悩む子ども達へ、美味しく食べて健康になれる薬膳料理「こども薬膳」を広める活動も行う。
文・撮影=さとうあい
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