「白髪が増えるってホント?」 美白成分「トラネキサム酸」の気になるウワサを医師が解説!
CREA WEB / 2024年4月4日 7時0分
肝斑治療薬としても、化粧品の成分としても注目される「トラネキサム酸」。そもそもどんな働きがあるの? 飲むのと塗るのではどっちが効く? トラネキサム酸に関する素朴なギモンから「白髪が増える」という噂まで、皮膚科医の髙瀬聡子先生に聞きました。
【疑問1】トラネキサム酸ってもともとお薬って本当? どんな肌悩みに効くの?
髙瀬 本当です。「肝斑治療の内服薬」として、現在もクリニックで用いられます。トラネキサム酸の主な働きは、炎症を鎮静する「抗炎症作用」なんですね。肌内部でメラニンが生成される最も初期段階の炎症を防ぐことで、肌の赤みや未来のシミを予防する働きがあります。
――風邪を引いたときに処方されるトラネキサム酸は、美容皮膚科で処方されるものとは違うんですか?
髙瀬 同じものです。喉の炎症を抑えるお薬として、風邪の時などに処方されます。美容目的でトラネキサム酸を日常的に摂取している方は、風邪を引いて医療機関にかかる場合、医師に伝えて頂けると安心です。過剰摂取を防ぐためですね。
【疑問2】トラネキサム酸は、外側から塗っても効果があるの?
髙瀬 美容成分としてのトラネキサム酸は、「エイジングケア全般」に力を発揮します。肌内部の微弱な炎症を鎮静する働きがあり、老化の予兆を初期の段階でブロックするからですね。
ただし、こと「シミ」をターゲットにする場合、直接肌に塗るのは、還元作用を持つビタミンCのほうが効率的かもしれません。トラネキサム酸配合の化粧品は、シミだけに限らず「あらゆるエイジングサインを、長期的にケアする」ものとお考え頂けたらと思います。
【疑問3】トラネキサム酸は「飲む」のと「塗る」のではどっちが効く?
髙瀬 クリニックでは、「内服」を優先します。老化の初期段階である微弱炎症は、体の奥深く、しかもあらゆる臓器で発生するためです。何よりトラネキサム酸の内服薬は「お薬」ですので、一定期間、決められた量を飲むことで、肝斑の改善作用が証明されています。
一方で、肝斑治療の患者さんには、トラネキサム酸の「外用薬」も人気があります。内服のサポートとして使う方が多い印象ですね。トラネキサム酸を配合した「化粧品」の場合、先ほどお話しした通り、老化の初期段階をブロックすることで、長い目で見たエイジングケアに力を発揮します。
【疑問4】トラネキサム酸と併用できない薬があるってホント?
髙瀬 「内服薬」の場合、低用量ピルと併用できないケースがあります。低用量ピルには血栓症のリスクを増す報告があり、トラネキサム酸は、血栓の溶解を遅らせる働きがあるからです。基本的には併用可能ですが、医療機関によって念のために禁止しているところがあります。
――肌に塗る化粧品はどうですか? ピルとの併用は避けたほうがいい?
髙瀬 「化粧品」に関しては、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。美容成分のトラネキサム酸は基本的に副作用が少なく、相性の悪い成分も特にありません。ピル服用中の方や妊婦さんにもお使い頂けます。
【疑問5】飲むのをやめると、シミが戻ってしまうって本当?
髙瀬 これは、「シミが戻る」というより、炎症を抑えることで「それまで出てこなかったシミが、出てくる」というほうが近いでしょう。紫外線のダメージは日々蓄積していますから、年齢とともに肌内部の潜在的なメラニン量も増えていきます。
内服のトラネキサム酸は、通常2~3カ月内服したら、1カ月程度の休薬期間があるんですね。その後また再開できます。医師の診断に基づいて、正しい量を服用することで、効果が持続します。
【疑問6】トラネキサム酸を飲むと、白髪になるって本当?
髙瀬 一時期SNSで話題になったようですが、これはウソ。
白髪の原因は、髪の毛根の「メラニン生成機能が停止」することです。トラネキサム酸の働きはあくまで抗炎症であり、毛根の機能をストップさせるような作用はありません。医学的な根拠は存在しませんので、安心して服用して下さい。
美容ライターが厳選。注目のトラネキサム酸コスメ3選!
シミ生成のあらゆる段階に迫る、ロングセラー美容液
繰り返し発生するシミの原因として、肌内部の微弱炎症にいち早く注目! 美白有効成分のm-トラネキサム酸を配合した、ロングセラーの美容液です。シミ部位特有の肌状態を研究し、メラニン生成、ターンオーバーの遅延など、あらゆる角度からアプローチ。浸透感にもこだわって、内側から発光するような肌へと導きます。
資生堂
https://www.shiseido.co.jp/haku/
肝斑治療のトラネキサム酸内服薬が、この春処方を強化!
2007年に肝斑改善薬として誕生したトランシーノ。微弱な炎症を鎮めるトラネキサム酸に加え、メラニンの生成を抑制するL-システイン、ビタミンCをベストなバランスで配合しています。さらにこの春、新たな成分としてニコチン酸アミドを加え、処方を強化。1回2錠、1日2回の服用で、肝斑を改善する医薬品です。
第一三共ヘルスケア トランシーノ相談室
http://www.transino.jp/
シンプル設計の原液で、トラネキサム酸を肌に届ける
化粧品に配合する「美容成分の原料そのまま」のシンプル設計にこだわった、チューンメーカーズの原液美容液。シミ発生の初期段階であるメラニン生成の指令をブロックし、微弱な炎症をケアします。みずみずしい感触で、肌全体にすっとなじんでいく感覚が印象的。シミが気になる部分への重ねづけもおすすめです。
チューンメーカーズ
https://www.tunemakers.net/
●お話を伺ったのは……
ウォブクリニック中目黒
総院長 髙瀬 聡子先生
皮膚科医。東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学付属病院での皮膚科勤務を経て、ウォブクリニック中目黒を開院。肌悩みに対する分かりやすい解説と、親身なカウンセリングに定評がある。ドクターズコスメの開発経験から、美容成分にも詳しい肌のエキスパート。
文=宇野ナミコ
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
40代50代、老け顔の原因は【くま】にあり!? 3種類のくまタイプ別対策とは?
OTONA SALONE / 2024年4月30日 16時30分
-
40・50代が今使うべき新作化粧水3つ
つやプラ / 2024年4月26日 12時0分
-
敏感肌用スキンケア売上No.1※1 のdプログラムから敏感肌用化粧水と洗顔料を同時に体感できるセットを発売 ~2024年4月21日(日)企業・数量限定発売~
PR TIMES / 2024年4月19日 18時15分
-
「赤みが出るのは効いてる証拠」ってウソ?ホント?「レチノール」の気になる噂をドクターが解説!
CREA WEB / 2024年4月4日 7時0分
-
「ビタミンCは尿で出てしまうから飲んでも意味がない」ってホント? ビタミンCの気になる噂を医師が解説
CREA WEB / 2024年4月4日 7時0分
ランキング
-
161歳女性の“還暦ファッショニスタ”が明かす、いつまでも若々しい人たちの共通点
日刊SPA! / 2024年4月30日 8時53分
-
2“15年間フルーツしか食べない人物”に起きた驚きの変化。「ラーメンもお菓子も食べたいとは思わない」
日刊SPA! / 2024年4月30日 8時52分
-
3ニトリが布団「Nクール」を自主回収 「中綿」表面に出てくる恐れ……「深くお詫び」
ねとらぼ / 2024年4月30日 12時20分
-
4現役美容師に聞いて分かった「頭皮が硬くなりやすい人」の特徴6つ! 自宅でできるマッサージ術も解説
オトナンサー / 2024年4月29日 20時10分
-
5なぜ辞退しない? 円安物価高の“A級戦犯”黒田東彦・前日銀総裁に「叙勲」のブラックジョーク
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月30日 11時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください