シュローダー 2025年市場見通し 外国株式
Digital PR Platform / 2024年12月13日 10時0分
トランプ氏の勝利はエマージング株式市場に不確実性をもたらす
トランプ次期大統領の政策は米国のインフレ率に上昇圧力をかけ、米国のイールドカーブを引き上げ、米ドルを下支えすると予想されます。これはエマージング諸国の財政状況の重しとなり、株式市場にとっても逆風となります。
米ドルはすでに大きく動いており、エマージング通貨を圧迫しています。米国債利回りと米連邦準備制度理事会(FRB)の金利見通しも著しく調整され、エマージング諸国の実質金利(インフレ調整後)は上昇しています。
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トランプ次期大統領は関税リスクももたらしており、広範な関税の適用(米国への全輸出品に適用)と、中国に限定した関税の大幅引き上げ(選挙戦では60%の引き上げが取りざたされていた)の両方が考えられます。選挙戦の通り関税が急速に実施された場合、その影響の一部はエマージング通貨の下落を通じて吸収されるでしょうが、米国のインフレには大きな影響が出る可能性が高く、トランプ次期大統領の支持基盤である低所得世帯にはマイナスの影響が及ぶでしょう。そのため関税の適用については、選挙戦での主張より微妙なアプローチが予想されます。
特に中国との関係では、トランプ次期大統領の閣僚人事は中国に対して政治的にタカ派的であるように見えます。そのため、非対称な関税が適用されると予想されます。規模にもよりますが、これは中国の貿易量に影響を与え、大幅な人民元切り下げにつながる可能性があります。
人民元の大幅な切り下げは、競合するエマージング通貨にも圧力をかける可能性がありますが、中期的に見れば、競合するエマージング諸国の製造業は、サプライチェーンの継続的な多様化の恩恵を受ける可能性が高いとみています。
最後に、トランプ次期大統領が地政学に与える影響については、リスクと機会の両方があります。前述の通り、トランプ政権は中国に対してタカ派的であり、デカップリングが続くと予想されますが、これは必ずしも順調なものとはならないかもしれません。ウクライナについては、和平合意に、十分に強固な安全保障が伴えば、この和平合意と多額の復興支出が欧州のエマージング諸国の経済とリスクプレミアにプラスの影響をもたらす可能性があるとみています。
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