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病原細菌であるレジオネラが宿主細胞の小胞体に定着する仕組みを解明~レジオネラの小胞体定着化に働く宿主・病原体双方の因子を発見

Digital PR Platform / 2024年12月18日 14時5分

レジオネラが増殖する場である小胞体には、「滑面小胞体」・「粗面小胞体」・「他の細胞小器官との接触場」といった複数のマイクロドメインが存在することが知られていますが、「LCVは小胞体のどのドメインと結合するか?」・「レジオネラは小胞体のどのドメインで増殖するか?」など不明な点も残されていました。

【研究成果の詳細】
 本研究では、各種小胞体のマイクロドメインと小胞体に到達したレジオネラの挙動との関連を調べるところから着手しました。その結果、レジオネラは、1滑面小胞体を介して小胞体に侵入する、2滑面小胞体から粗面小胞体へと移動して増殖することを見出しました。また、LCVと滑面小胞体との安定的な接触にRab10(宿主因子)が必要であること、一方、滑面小胞体から粗面小胞体への移行にRab4(宿主因子)が重要な役割を担っていることを明らかにしました。
 続いて、Bap31(宿主因子)の機能に着目して研究を行いました。Bap31は小胞体に存在し、滑面小胞体と粗面小胞体を循環することで小胞体内での物質移動を媒介することが知られているタンパク質です。そこで、レジオネラの滑面小胞体から粗面小胞体への移行におけるBap31の働きを調べたところ、滑面小胞体に到達したレジオネラの周辺にBap31が供給されること、Bap31を欠損させた細胞に感染したレジオネラは滑面小胞体から粗面小胞体への移動できず増殖が著しく抑制されることが明らかとなりました。
【研究の背景】の項にて記載した通り、レジオネラの細胞内感染の成立にはレジオネラが宿主細胞に対して放出する『レジオネラエフェクター』の機能が必要不可欠となります。そこで、レジオネラエフェクターが放出できない変異株におけるBap31の動体を解析しました。その結果、当該変異株の周辺にはBap31が集積しないことが分かりました。このことは、レジオネラはレジオネラエフェクターを用いてBap31を自身の周辺に供給していることを意味しています。そこで、Bap31を制御するレジオネラエフェクターの探索を行い、Lpg1152というレジオネラエフェクターがBap31と結合することでその機能を制御することを発見しました。重要なポイントとして、Lpg1152を欠損させたレジオネラ株は滑面小胞体から粗面小胞体へと移行できず細胞内増殖能も減衰していました。以上の結果は、小胞体に到達したレジオネラは滑面小胞体から粗面小胞体へと移動し、粗面小胞体において複製ニッチを形成していることを示しています。    

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