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自閉症の新たな治療標的として未成熟な脈絡叢を同定~メトホルミンによる自閉症モデルマウスの治療に成功

Digital PR Platform / 2025年1月8日 14時5分


【 今後の展開 】
「未成熟な脈絡叢」が自閉症に普遍的な病理であるのか、の検証が待たれます。メトホルミンは既に「2型糖尿病治療薬」の治療薬として認可されている薬剤です。このことは、適応を拡大すること(ドラッグ・リポジショニング)により自閉症の治療薬として使用できる可能性があります。また、生後早期の「未成熟な脈絡叢」を標的とした自閉症の新たな治療法の確立が期待されます。




概念図
(上段)自閉症モデルマウスや脈絡叢特異的CAMDI欠損マウスは、脈絡叢が未成熟であり社会性の低下を含む自閉症様の行動を示します。また、自閉症患者iPS細胞由来の脈絡叢のミニ臓器(オルガノイド)も未成熟を示します。
(下段)生後早期の臨界期前にメトホルミンを投与することで、自閉症モデルマウスや脈絡叢特異的CAMDI欠損マウスの脈絡叢は成熟します。脳脊髄液関門の機能が正常化して炎症が低下するとともに社会性が回復しました。


図1 自閉症患者iPS細胞由来の脈絡叢オルガノイドは未成熟である
健常者のiPS細胞に由来する脈絡叢オルガノイド(PB004#1)と比較して、自閉症患者のiPS細胞に由来する脈絡叢オルガノイド(HPS2959, HPS2612)では、脈絡叢分化・成熟を示すトランスサイレチン(TTR、緑)の発現が減少していました。Hoechst(青)は細胞核を染色しています。


図2 生後早期のメトホルミン投与による社会性の回復
(A) 社会性試験の概要
初対面のマウス1に対して5分間の匂い嗅ぎ行動の時間(Sniffing time)を3回測定します。時間が短いほど社会性が低下していることを示します。同一マウスに対して2, 3回目になると慣れてくるため、探索時間は減少します。60分後に別の初対面のマウス2に対して4回目の試験を行います。マウス1とマウス2の違いを認知できれば、改めて探索する必要が生じるため匂い嗅ぎ行動の時間が増加します。
(B)脈絡叢特異的CAMDI欠損マウス(ChP-KO)
(C)自閉症モデル(胎生期に母体にバルプロ酸を投与したVPA)マウス
(D)自閉症モデル(胎生期に母胎内免疫を活性化したMIA)マウス
マウスの社会性臨界期は生後21日目から35日目に存在することが知られています。生後7日目(体毛生え始め)から21日目(離乳時期)までの間にメトホルミンを投与し、その後は生後56日目まで投与なしで通常に飼育した後に行動試験を行いました。(B)〜(D)のいずれのマウスも社会性が低下しています(--●--)。メトホルミン投与後(--▲--または--■--)では正常のマウス(実線で表記)と同程度まで社会性が回復しました。


▼本件に関する問い合わせ先
入試・広報センター
住所:東京都八王子市堀之内1432-1
TEL:042-676-4921
FAX:042-676-8961
メール:kouhouka@toyaku.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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