肝動脈化学塞栓療法と薬剤2種の併用で肝細胞がんへの治療効果が向上 レンバチニブとペムブロリズマブ併用による肝細胞がんの完治に期待
Digital PR Platform / 2025年1月14日 20時5分
【本件の内容】
研究グループは、先行研究で開発したLEN-TACE療法に、免疫チェックポイント阻害剤であるペムブロリズマブを組み合わせ、切除不能な非転移性肝細胞がん患者に対する効果と安全性を検証するため、多施設共同無作為化二重盲検第3相試験を行いました。ペムブロリズマブは、米国では第1相試験※7 の結果により迅速に承認されている薬剤であり、レンバチニブ+ペムブロリズマブの併用療法は良好な効果が確認されています。また、臨床的には有意義な全生存期間の延長効果も認められている薬剤です。
この試験では、33カ国・地域の137施設から、切除不能な非転移性肝細胞がんでTACEが適応となる患者のうち、身体的な状態として活動に制限がない・もしくは軽作業や座って行う作業が可能で、肝障害の程度が軽微な480人を対象としました。患者は、TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ、またはTACE+プラセボ(偽薬)のいずれかを受ける群に、1:1で無作為に割り付けました。治療後の無増悪生存期間および全生存期間を調査した結果、無増悪生存期間の中央値は、プラセボ群で10.0カ月であるのに対し、レンバチニブ+ペムブロリズマブ群では14.6カ月となり、無増悪生存期間が延長しました。また、レンバチニブ+ペムブロリズマブ群237例中69例(29%)、プラセボ群243例中82例(34%)が死亡し、24.0カ月全生存率はレンバチニブ+ペムブロリズマブ群で75%、プラセボ群で69%でした。
結論としてTACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブによる治療は、TACE+プラセボと比較して、切除不能な非転移性肝細胞がん患者の無増悪生存期間を有意に、かつ臨床的に意義のある延長効果を示し全生存期間も改善する傾向を示しました。本研究成果により、TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブによる治療は、切除不能な非転移性肝細胞がん患者の標準治療になり、完治させることも可能になると期待されます。
【論文概要】
掲載誌:The Lancet(インパクトファクター:98.4@2023)
論文名:Transarterial chemoembolisation combined with lenvatinib plus pembrolizumab versus dual placebo for unresectable, non-metastatic hepatocellular carcinoma (LEAP-012): a multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study
(切除不能な非転移性肝細胞がんに対する肝動脈化学塞栓療法とレンバチニブ+ペムブロリズマブの併用療法とプラセボの併用療法との比較(LEAP-012):多施設共同無作為化二重盲検第3相試験)
著者:工藤正俊1, Zhenggang Ren2, Yabing Guo3, Guohong Han4, Hailan Lin5, Jinfang Zheng6, 小笠原定久7, Ji Hoon Kim8, Haitao Zhao9, Chuan Li10, David C Madoff11, R Mark Ghobrial12, 河岡友和13, Rene Gerolami14, 池田公史15, 熊田博光16, Anthony B El-Khoueiry17, Arndt Vogel18, Xiang Peng19, Kalgi Mody20, Corina Dutcus20, Leonid Dubrovsky19, Abby B Siegel19, Richard S Finn21, Josep M Llovet22
所属:1 近畿大学医学部内科学教室(消化器内科部門)、2 復旦大学附属中山病院、3 南方医科大学南方病院、4 西安国際医学中心病院/北西大学、5 福建腫瘍病院/福建医科大学附属腫瘍病院、6 海南医科大学附属海南病院、7 千葉大学大学院医学研究院、8 高麗大学校九老病院、9 北京協和医学院、10 四川大学華西病院、11 イェール大学医学部、12 ヒューストン・メソジスト病院、13 広島大学大学院医系科学研究科、14 エクス・マルセイユ大学/地中海感染症大学病院研究所、マルセイユ国立大学病院、15 国立研究開発法人国立がん研究センター東病院、16 虎の門病院/沖中記念成人病研究所、17 USCノリス総合がんセンター、18 ハノーバー医科大学、トロント総合病院、UHNプリンセス・マーガレットがんセンター、19 メルク・アンド・カンパニー、20 エーザイ株式会社、21 UCLAデイビッド・ゲフィン医科大学院、22 マウント・サイナイ・アイカーン医科大学、バルセロナ大学、カタルーニャ先端研究所
DOI:10.1016/S0140-6736(24)02575-3
URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673624025753?via%3Dihub
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