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肝動脈化学塞栓療法と薬剤2種の併用で肝細胞がんへの治療効果が向上 レンバチニブとペムブロリズマブ併用による肝細胞がんの完治に期待

Digital PR Platform / 2025年1月14日 20時5分

【研究代表者コメント】
工藤正俊(くどうまさとし)
所属:近畿大学医学部内科学教室(消化器内科部門)
職位:主任教授
学位:医学博士
コメント:LEAP-012試験は、我々の開発したレンバチニブにTACEを加えるLEN-TACE療法の有効な結果の延長線上で計画された多施設共同無作為化二重盲検第3相試験です。LEN-TACEに免疫チェックポイント阻害剤を加えることにより、LEN-TACEよりも更に良好な結果が期待できると考えました。主要評価項目は無増悪生存期間と全生存期間の2つですが、私が提案した試験デザインは、(1)レンバチニブとペムブロリズマブをTACTICS-L試験のデザインと同じく初回TACEの2-4週前に行うこと、(2)割付因子に腫瘍量(Up-to-6 criteria)を入れること、(3)同じく割付因子にALBI gradeを入れること、(4)割付因子にAFPを入れること、の4点でした。
まず(1)については、抗VEGF作用により1回目のTACEの効果が高まること、それにより無増悪生存期間延長効果が高まり、のみならず全生存期間も延長させる効果が期待できることです。(2)の腫瘍量については、「個数の少ない小型肝がん」と「個数が多数で大型の肝がん」ではTACEの後の無増悪生存期間は明らかに異なることから、均等に割り付けた方がより薬剤の効果そのものを判定できると考えました。また、(3)のALBI gradeは、肝機能の予備力を示す指標ですが、ALBI gradeは予後因子であることに加えて、ALBI grade 1とALBI grade 2ではレンバチニブの忍容性が異なることから、ALBI gradeを入れることによりレンバチニブの効果をより明確に評価できると考えました。(4)のAFPも、予後因子であることから割付因子に入れました。このような工夫により、全生存期間にも差を出しやすくなると考えて試験をデザインしました。
結果的にこのような試験デザインの工夫により、LEAP-012試験はpositive試験となりThe Lancetに掲載されることになりました。このTACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブが承認され、実臨床で腫瘍が縮小した場合には、切除・Ablationなどの根治的治療を併用することにより、非転移性肝細胞がんの患者さんにおいても治癒をもたらすことができると期待しています。

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