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追手門学院大学などの研究チームがフッ化物超イオン伝導を示す新物質を創出 ― 次世代電池「全固体フッ化物イオン電池」の開発が大きく加速

Digital PR Platform / 2025年1月15日 14時5分

【今後の展望】  
 本研究では、結合の弱いファンデルワールス化合物[用語12]TlFに化学フッ化を行うことで、新奇構造体を得ることができた。この構造が既存の銅超イオン伝導体の逆構造であることから、超イオン伝導の出現というブレークスルーを達成した。この発見は、構造相転移を介したフッ化物イオン伝導体の創製に対して、貴重な洞察を与え、既存のアプローチに限界が見えつつあるなかで、新たなフッ化物イオン伝導体創出に向けて戦略の広がりを示唆するものとなる。Tlを電位窓の担保できるアルカリ土類元素で置換することで、よりエネルギー密度の高いFIBへの道が広がることが期待される。

【研究者コメント】
 複雑構造を有する既存のTlFの層間にFを挿入する、という当初の狙いとは異なり、セレンディピティにより単純な構造を有する新しい超イオン伝導体を創出できた。これは、人工知能(AI)が苦手とする外挿領域(未踏物質)へ切り込むことができたことを意味する。「美しい構造には機能が宿る」を求め、データベースに新たな1ページを加えることができた。

【論文情報】
 論文タイトル:Fluoride superionic conduction in TlF with the new anti-α-CuBr structure containing intrinsic F vacancies  
 著 者:K. Tani, T. Tada, and T. Takami(責任著者)
 雑誌名: Journal of Materials Chemistry A
 DOI:10.1039/d4ta06334a
 公開日:2025年1月14日(英国時間)
 URL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2025/ta/d4ta06334a/unauth

●本研究は、主に以下の事業の支援を受けて実施された。
・科研費 基盤研究(B), 22H02167, 23K23435
・科研費 挑戦的研究(萌芽), 24K21808
・三菱財団 自然科学研究助成, 202210032
・中部電気利用基礎研究振興財団, R-05205
・八洲環境技術振興財団
・高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の中性子共同利用S1型実験課題, 2019S05
・智慧とデータが拓くエレクトロニクス新材料開発拠点, JPMXP1122683430
・スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム, JPMXP1020230327
・スーパーコンピュータ「富岳」の計算資源, hp230212
・学術変革領域研究(A), 24H02203

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