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ヒト21番染色体部分モノソミーiPS 細胞の作製に成功 ~ヒト染色体欠失症やダウン症の機序解明や治療標的発見への応用を期待

Digital PR Platform / 2025年1月15日 14時5分

注5:ヒトiPS細胞
 ヒト体細胞に4種類の初期化誘導因子を導入することよって誘導される多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)。未分化な状態で無限に増殖可能であり、また試験管内で様々な種類の組織に分化する能力を持つ。山中伸弥博士らにより、2007年に初めて報告された。

注6:ヒト21番染色体(HSA21)
 ヒト21番染色体は、ヒトにおける最小の常染色体であり、全長約4500万塩基対、212のタンパク質コード遺伝子を含む。通常2本ある染色体が3本存在することによって生じるトリソミー症候群のうち、最も発生頻度の高いダウン症候群患者は、主に21番染色体を3本保持する。

注7:トランスクリプトーム解析
 細胞内で発現している全てのRNA(トランスクリプトーム)を網羅的に解析する手法

注8:プロテオーム解析
 細胞や組織、臓器、あるいは生物全体における全てのタンパク質(プロテオーム)を同定し、解析するための技術。

注9:遺伝子量補償
 遺伝子が発現する量が性別や染色体構成によって異なる場合、そのバランスを保つ仕組み。この現象の例としては、性別による遺伝子発現の不均衡の解消が挙げられる。

注10:合成生物学
 生物の遺伝子、細胞や、より高次の生物システムを人工的に合成したり、改変したりすることを目指す研究領域。特定の生物の最小ゲノムを設計し、そのゲノムを人工的に合成する研究が進んでいる。

注11:ヒトゲノムの最小化
 ヒトゲノムにおける、最小限の遺伝子セットや遺伝子構成を明らかにしようとする研究。ヒトにとって必要不可欠な遺伝子や機能的に重要な領域を特定し、それ以外の不要な部分を削減することが含まれる。生命の基本的な理解を深めるとともに、医療やバイオテクノロジーの分野での応用にもつながると期待される。

注12:ヒト人工染色体(HAC)
 ヒト21番染色体から全ての遺伝子領域を削除し作製された改変染色体。21番染色体由来セントロメアおよび人工テロメア、および外来遺伝子挿入部位で構成される。ヒト細胞において宿主ゲノムとは独立して安定的に維持されるベクターである。

<論文タイトル>
 "Generation of Monosomy 21q Human iPS Cells by CRISPR/Cas9-Mediated Interstitial Megabase Deletion"
 (CRISPR/Cas9を介したメガベース欠失によるモノソミー21qヒトiPS細胞の作製)
 DOI: 10.1111/gtc.13184

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