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世界初!胸部X線撮影やCT検査時の呼吸状態を非接触で計測 ミリ波センサを用いた新たなモニタリングシステムを開発

Digital PR Platform / 2025年1月31日 14時5分

世界初!胸部X線撮影やCT検査時の呼吸状態を非接触で計測 ミリ波センサを用いた新たなモニタリングシステムを開発



近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市)放射線医学教室(放射線腫瘍学部門)教授 門前一、近畿大学病院中央放射線部技術主任(大学院医学研究科医学物理学専攻 非常勤講師)小坂浩之らを中心とした研究グループは、電子部品メーカーであるSMK株式会社(東京都品川区)との共同研究により、「ミリ波センサ※1」を用いて胸部のX線撮影やCT検査時に患者の呼吸状態を非接触で確認できる新たなシステムを開発しました。これまで、患者の呼吸状態の確認は検査実施者の目視で行われていましたが、本研究により、機器を用いて正確に把握することが可能となりました。従来技術と比較して、患者への負担が少なく低コストで導入できるため、医療現場に新たな技術革新をもたらすと期待されます。
本件に関する論文が、令和7年(2025年)1月28日(火)16:30(日本時間)に、医学物理学分野の国際的な学術誌"Medical Physics(メディカル フィジックス)"にオンライン掲載されました。




【本件のポイント】
●ミリ波センサを用いて、X線撮影やCT検査時の患者の呼吸状態を非接触で確認することに世界で初めて成功
●乳幼児や小児の呼吸状態も正確に検出でき、仰向けでも立位でも安定した測定が可能
●本研究成果により、呼吸状態を非接触で正確に測定できるシステムを安価に臨床現場に導入できると期待

【本件の背景】
胸部のX線撮影やCT検査において、息を止めるといった適切な呼吸状態で撮影することで、診断の質を大きく左右する重要な要素となります。これまで、患者の呼吸状態の確認は、検査実施者の目視で行われていましたが、検査実施者の経験と勘に大きく依存していました。その結果、不適切な呼吸状態での撮影により、肺の状態を正確に判断できない、心臓の大きさを誤って評価してしまうなどといった、重要な問題が生じることがありました。特に、息を十分に吸えていない状態での撮影は、健康な方でも肺炎のような所見を示したり、心臓が実際より大きく見えたりする可能性が指摘されてきました。そのため、装置を用いて呼吸の状態を確認する方法が求められており、カメラからの距離を計測できる機器や赤外線センサーを使用したシステムも開発されていますが、高価なため臨床での実装には至っていません。
「ミリ波」は、波長が数ミリメートル程度のため微細な振動を検知できる電磁波で、対象物の動きを正確に検出することができます。このミリ波を使用したセンサは比較的安価で、ペットホテルでの動物の体調管理や、高温環境下での工場設備の監視、防犯システム、自動車の安全装置など、さまざまな場面で利用されています。このミリ波センサを用いることで、患者の呼吸状態を可視化することができると考えられますが、実際に活用できるかは未検証でした。

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