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【日本大学】不規則な生活により太るメカニズムを解明しました ~「体内時計の乱れによる肥満形成の分子メカニズムを解明」~

Digital PR Platform / 2025年2月4日 14時5分



3. 体内時計の機能低下により肥満関連ホルモンFGF21(エフジーエフ21)量が脂肪細胞で増加する
 2において、脂肪細胞で体内時計の機能低下が起こることでインスリン感受性が⾼まることがわかりました。そこでインスリン感受性に関わるホルモン類を解析したところ、AAKOマウスの脂肪組織において、FGF21量が増加していることが明らかになりました(図3)。FGF21が細胞に作⽤すると、cFosやEgr1といった遺伝⼦の発現量が増加することが知られています。AAKOマウスの脂肪組織でもこれらの遺伝⼦発現量は増加しています(図3)。すなわちAAKOマウスでは、FGF21の量も活性も増加していることが⽰されました。



4. 脂肪細胞においてFGF21を消失させると体内時計が機能低下していても細胞の肥⼤化やインスリン感受性の増加は起こらない
 FGF21はインスリン感受性を⾼める作⽤を持つホルモンです。そこで以下の実験では、AAKOマウスの脂肪細胞においてFGF21遺伝⼦を⽋損させ、本当にFGF21がAAKOマウスにおけるインスリン感受性増⼤その影響を解析しました。AdKOマウス(脂肪細胞のFGF21遺伝⼦を⽋損したAAKO(体内時計機能低下)マウス)の脂肪細胞の⼤きさ(図4左)、インスリン感受性(図4中)、脂肪組織への2-DGの取り込み量(図4右)は、コントロールマウス(Arntlflox/floxFgf21flox/floxマウス)と同程度でした。すなわち、脂肪組織の体内時計が機能低下していても、FGF21が存在しなければインスリン感受性の亢進による脂肪細胞の肥⼤化が起こらないことが⽰されました。これは、FGF21が体内時計の機能低下に伴う肥満発症の原因であることを⽰しています。



5. 脂肪細胞におけるFGF21量は体内時計によって制御されている
 最後に体内時計機能の低下がどのようにして脂肪細胞中のFGF21量を制御しているのかを解析しました。
 その結果、体内時計機能が正常に働いていると、Fgf21遺伝⼦の転写調節領域(DNA上にあるFgf21の転写を調節する領域)に転写抑制因⼦が結合しており、Fgf21の発現(mRNA量)を少なくしています。ところが体内時計機能が低下するとこの抑制因⼦が外れて、Fgf21の転写が活性化され、量が増加します。
 図5はFgf21遺伝⼦の転写調節領域に結合している転写抑制因⼦の量を⽰しています。

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