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【アプリで気軽にストレス改善】セルフケア行動共有スマホアプリ「ラムネ」を用いた大学生に対する簡易なストレスマネジメント行動の提示。ネガティブ感情の低下に改善効果があることを確認。日本健康心理学会第36回大会にて発表--金沢工業大学

Digital PR Platform / 2023年12月19日 14時5分

【実験詳細】
■調査時期と対象
2023年5-6月に大学および大学院の学生56名を対象に実施。
実施に当たっては、口頭および文書でインフォームドコンセントを行った。データは個人情報を含まない形に加工し、解析に用いた。

■方法
被験者56名を「ラムネアプリを利用する群」と「利用しない群」の二群に無作為に割り振った。「ラムネアプリを利用する群」は、介入期間の3週間、ラムネからストレスマネジメント行動(ゆるケア)を選択し、毎日1つ以上実施してもらった。利用については、スクリーンタイムとアプリ画面のスクリーンショットにより利用を判断。「利用しない群」はラムネを3週間利用しなかった。
二群ともに、アプリの利用前後、利用終了3週間後の3回にわたって、気分、孤独感を測定した。
気分:日本語版PANAS(佐藤・安田,2001)
孤独感:日本語版 Short-form UCLA 孤独感尺度3項目(Arimoto&Tadaka,2019)

■分析
時期(3)×群(2)を要因とした分散分析。
調査内容から、下記を介入効果の指標として利用した。
1.ポジティブ感情、2.ネガティブ感情、3.ポジティブ感情比(ポジティブ感情/ネガティブ感情)、4.孤独感

■結果と考察
介入および調査をすべて完了した者は、「ラムネアプリを利用する群」は20名(脱落率28.6%)、「利用しない群」は21名(25%)であった(回答の信頼性が疑われる「利用しない群」1名は解析から除外)。「ラムネアプリを利用する群」の4割は,介入終了後も自発的にアプリを利用した。先行研究で行われていたデジタル治療の脱落率の平均31%と比べると若干低い。アプリ実施の負担は少なく、継続しやすかったと考えられる。
3時点の変化を比較したところ、ポジティブ感情(論文中ではポジティブ気分)および孤独感では有意な主効果および交互作用はみられなかった。ネガティブ感情では群と時期の交互作用がみられ、postにおけるネガティブ感情は「ラムネアプリを利用する群」のほうが低かった。preからpostにかけてポジティブ感情比が高まり、postにおけるポジティブ感情比は「ラムネアプリを利用する群」のほうが高かった。「ラムネアプリを利用する群」の感想では、気分転換になった行動として「音楽(N=10)」や「呼吸や瞑想(N=4)」が多く挙げられた。

アプリを通じた簡易なストレスマネジメント行動の提示・実践は、主に「ネガティブ感情の低下」を中心とした気分状態の改善に効果があることが示された。気晴らしはネガティブな気分状態での反すうを妨げ、気分の改善を助けると言われています。既存のストレスマネジメント行動として音楽や呼吸法が気分に与える効果が示されており、アプリを利用した本研究で同様の効果を検証した。一方、他者との関わりを必要としないストレスマネジメント行動の実践は、孤独感には影響しないことが考えられる。

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